出版によせて

「会社が、上司が、インターネット活用に積極的でない。予算が確保できない。自分の仕事を評価してもらえない・・・」そんな悩みをお持ちのWeb・広報・マーケティング担当者の方はとても多いのではないでしょうか。

私はこの15年、インターネットと広告の専門家として数多くの経営者、企業担当者のご相談を受けてきました。そこで感じてきたのは「現場のご担当は問題意識が高く、研究熱心であるにも関わらず、ネット関連業務の重要性が、全社的に理解されていない」という現実です。

ツイッター、フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアの盛り上がりや、クラウドによるIT活用の流れ。刻々と変わるネット環境を把握しないかぎり、企業のインターネット活用に何が重要なのかをイメージする事もままならない状況です。企業人としてネットをどう捉え、どう対応すべきかに応えられる情報は決して多くはありません。

本書は、そのようなご要望にお応えするため、中部経済新聞紙上で週1回のコラムとして連載された内容をベースに、加筆・修正したものです。どこからでも読んでいただけるようになっていますので、「これが知りたかった」「今さら聞けない」などなど、あなたがピンときたところから読んでみてください。

そして、読み終わったら、上司や経営者にこの本をそっと薦めてみてください。上司はネットの重要性を理解していないわけではなく、自分とは遠いもの、として避けているだけなのかもしれません。

さらにもうひとつ。書かれていることの中から、なにかひとつでもいいので実践してみてください。企業Web担当者にとって一番大切なことは「自分が一人のユーザーとなり、今起きていることを当事者として肌で理解する」ということなのですから。

志水哲也

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