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Webサイト多言語化の前に!グローバルサイト制作で押さえるべき情報設計のポイント

Webサイト多言語化の前に!グローバルサイト制作で押さえるべき情報設計のポイント

企業のグローバル展開が進む中、現地市場に適応したグローバルサイトの構築は、ビジネス成功の鍵となっています。しかし、ただ情報を翻訳して掲載するだけでは、現地ユーザーに響くサイトにはなりません。
本記事では、グローバルサイトの情報設計において押さえるべき重要なポイントを解説します。

目次

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1. グローバルサイトの情報設計の基本とは?

グローバルサイトにて情報設計を行う際、考慮すべきポイントとして「ローカライゼーション」を意識したサイト構築を行わなければなりません。ローカライゼーションは多岐にわたりますが、以下の4点は特に重要となります。

  • マーケティング戦略:ターゲットとなる国・地域の経済性やトレンドの分析、競合他社の分析を通して、自社から発信する情報がブレないように意識する。
  • 多言語対応:ターゲット市場の言語で正確かつ自然な翻訳および現地でのトレンドワードや自社製品市場における専門用語などに留意する。
  • ユーザー行動の違い:国や地域ごとに異なる検索行動や現地独自の検索エンジン、文化的背景を理解する。
  • 現地文化への配慮:デザインやメッセージがターゲット市場に合ったものであること。

2. グローバルサイト設計で押さえるべきポイント

2.1 ターゲット市場を明確にする

グローバルサイトを設計する際、まずターゲット市場のニーズを理解し、自社製品・サービスが競合との比較において何が強みなのかを明確にすることが重要です。
以下の質問に答えることで、方向性を定めましょう。

  • 主なターゲットユーザーは誰か?
  • ユーザーがWebサイトに訪れる目的は何か?
  • ユーザーが抱える課題やニーズは?
  • 自社製品・サービスの強みは?
  • 競合他社との差別点は何か?

市場ごとのターゲットペルソナを作成し、それに基づいて情報を設計します。具体的には、ペルソナに基づいたカスタマージャーニーや、ユーザーが求める情報への導線を設計することが挙げられます。

関連記事:【テンプレ付】BtoBペルソナの作り方とは?注意点と活用メリットを解説

2.2 多言語対応の戦略を練る

多言語サイトを構築する際、ただ日本語版サイトを直訳するだけでなく、その国・地域の文化や風習に根ざした翻訳が必要です。以下のポイントを考慮しましょう。

  • 単なる直訳ではなく、現地のユーザーにに適応した表現を使う。
  • 日付、通貨、測定単位など、現地基準に合わせる。
  • メニューやナビゲーションをシンプルにし、言語切り替えを分かりやすくする。

さらに、翻訳の品質管理が重要です。現地のプロフェッショナルの協力を得ることで、文化的背景や業界特有の用語を反映した翻訳を行いましょう。

2.3 ユーザー行動の違いを意識する

全ての情報を平等に扱うのではなく、ユーザーにとって最も重要な情報を目立たせます。たとえば、

  • ホームページや主要ページには、現地市場で特に関心の高い内容を配置。
  • お問い合わせフォームや資料ダウンロードなど、CTA(コール・トゥ・アクション)を明確に。
  • BaiduやNaverなど、Googleよりも使用率の高い検索エンジンを利用している国では、特定の検索エンジンのアルゴリズムを理解しているSEOディレクターによる施策を実施する。

具体例として、製品情報や技術の強みをトップページに視覚的にわかりやすく配置し、ユーザーが簡単にアクセスできる導線を確保します。さらに、主要コンテンツにはアイコンや簡潔な見出しを使用して、情報を迅速に伝える工夫が求められます。
また、どの国・地域であってもモバイルでの表示速度が求められるため、軽量な設計を意識しましょう。

関連記事:コーポレートサイトとは?BtoB企業が成果を出すための役割・設計・運用を解説

2.4 現地文化への配慮

進出する国・地域の文化や習慣に配慮し、サイト内のデザインやメッセージを現地に合わせていくことも重要です。

具体的には以下の項目などが挙げられます。

  • 風習、宗教、慣例など、現地の文化に配慮したデザインとなっているか
  • ブランドとして一貫性があるか
  • 各国の法律や規制に準拠した商品説明・契約内容を提供できているか

グローバルサイトのデザインは、単なる見た目の美しさだけではなく、ブランドイメージの構築、UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上、そしてコンバージョン率の最大化など、ビジネスの成功に直結する重要な要素となります。

参考:地域別の情報設計のポイント

グローバルサイトを設計する際には、地域ごとのユーザー行動や文化的な違いも考慮しなければなりません。以下、主要地域ごとの情報設計のポイントをまとめました。

1. 北米:直感的でスピーディなUXを重視

シンプルで直感的なナビゲーション:複雑な階層構造は避け、すぐに目的の情報にアクセスできる設計にする。

2. ヨーロッパ:多言語対応とプライバシー対策を強化

多言語・多文化対応:EU内でも国によって言語が異なるため、柔軟な言語切り替え機能を用意。
GDPR(一般データ保護規則)への準拠:Cookieの同意管理やデータの透明性を確保。

3. 中国:ローカル規制と独自プラットフォーム対応

ICPライセンスの取得:中国国内でWebサイトを運営するには、政府の許可が必要。百度(Baidu)最適化:Googleではなく百度SEOに適した構造やキーワード選定が重要。

4. 東南アジア:モバイルファーストとエンタメ要素を強化

インタラクティブな要素:動画やアニメーション、ゲーミフィケーション要素が好まれる。

5. 南米:感情的なデザインと信頼感の構築

ビジュアル重視:カラフルで感情に訴えるデザインが好まれる傾向。
口コミ・レビューの強化:ユーザーの信頼を得るために、実際の体験談や評価を前面に出す。

グローバルサイトの情報設計では、各地域の文化・規制・ユーザー行動を考慮することが不可欠です。1つのデザイン・構造をすべての市場に適用するのではなく、各地域の特性に合わせた最適化を行い、ユーザー体験を向上させましょう。

関連記事:ワイヤーフレームとは?目的・要素・確認ポイントを初心者にもわかりやすく解説

3. 構築事例:冷間鍛造技術による特殊形状加工を行う製造業

タービン・インタラクティブでは、以下のポイントを考慮してグローバルサイトを構築しました。

  • 英語をベースに多言語対応:将来的に英語以外の言語に対応できるよう設計。
  • 現地文化を反映した情報発信:現地ユーザーがイメージしやすい表現やデザインを採用。
  • ターゲットエリアに特化:北米やヨーロッパ市場でのニーズに応じた情報設計を実施。
  • SEO対策:現地市場での検索トレンドを分析し、ページ構成に反映。

結果、海外からのお問い合わせ数の増加や、認知度向上に寄与しました。また、Google Analyticsを活用したアクセス分析により、さらなる改善点を特定し、継続的な運用強化を図っていらっしゃいます。

グローバルサイト制作事例はこちら

グローバルサイト構築の重要性や重要なポイントについて、2025年10月開催のウェビナー「BtoB企業が海外進出すべき理由とグローバルサイトの重要性」でも解説しております。ご興味のある方は、以下よりアーカイブ配信でご覧いただけますので、ぜひご視聴ください。

アーカイブ配信はこちら

まとめ

グローバルサイトの情報設計は、単なる翻訳作業ではなく、現地市場の特性や文化を理解し、それに基づいて設計することが求められます。ターゲット市場を明確にし、ユーザー視点でのデザインやコンテンツ配置を行うことで、現地ユーザーにとって価値あるサイトを構築しましょう。

まずは、自社のグローバルサイトの現状を見直し、改善点を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか?