展示会でせっかく訪問してくれた見込み客を「商談につながるリード」に変えるには、当日の営業体制と記録の仕組みが重要です。
本記事では、展示会当日の営業体制から、即時記録・分類の仕組みづくりまで、リード獲得率を高める実践ポイントをご紹介します。
目次
展示会で交換した名刺から商談を生むには
展示会は「商談を生み出すプロセスの入口」です。事前準備から当日の対応、そして展示会後の営業・フォロー体制までを一貫して設計することで、初めて成果を最大化できます。
展示会でリードを獲得し、商談にいたるまで大きく4つのステップがあります。
せっかく展示会でブースに立ち寄ってもらっても、名刺交換だけで終わったり、その場でヒアリングや温度感の把握ができていないと、有効なフォローにはつながりません。
「誰が」「何に興味を持って」「どのくらいの検討意欲があるのか」を記録しておかないと、後の営業活動が属人的・場当たり的になってしまいます。
本記事では、リード獲得率を高めるために必要な「展示会当日の営業体制や情報連携」について解説します。
展示会当日の営業体制を整える
当日の展示会ブース対応で、アポ獲得を増やすための営業体制やポイントをご紹介します。リード獲得率を高めるために、しっかりと事前準備をしましょう。
キャッチと営業の分業体制をつくる
展示会では、短時間で多くの来場者に対応する必要があるため、役割分担が曖昧だと「誰がどのタイミングで、何をするべきか」が不明確になり、対応のばらつきやリードの取りこぼしが生じやすくなります。
展示会では、まず「足を止める」ことがスタート地点です。その役割を担うのがキャッチ担当であり、通路を通る来場者に声をかけ、自社ブースへの誘導を行います。その後、ブース内に入ってきた来場者を、営業担当が引き継ぎ、サービス紹介やヒアリング、アポ獲得を行います。
- キャッチ担当が通行中の来場者に声をかけ、自社ブースへ誘導
- 営業担当がブース内で製品・サービスを紹介し、来場者の課題をヒアリング
- 興味を持った来場者には商談アポイントを獲得し、具体的な提案につなげる
この「キャッチ → ヒアリング → アポクロージング」という流れを分業でおこなうことで、対応がスムーズになり、来場者にとってもストレスのない体験となります。
特に、製品説明や商談誘導に慣れたメンバーを営業担当に配置することで、より精度の高いヒアリングと提案が可能になります。
来場者との会話が始めやすくなる配布物・ノベルティの活用
展示会では、来場者と自然に会話を始めるきっかけをつくることが重要です。そこで活躍するのが、配布物やノベルティです。
単なる販促品ではなく、自社の製品や価値を印象づける「会話の入口」としても、ブースでの商談機会を広げる効果的な手段です。
使うたびに思い出してもらえるよう社名を入れたビジネス用品も一般的ですが、「他社とは違う変わったノベルティ」を配ることで足を止めてもらえたりと戦略はさまざまです。来場者は1日で多くの企業をまわります。一緒に簡単な製品紹介やサービス資料も埋もれないように工夫しましょう。
シフト表と役割分担の可視化
ブース対応の負荷を適切に分散させるには、時間帯ごとのシフト表とローテーションの設定が不可欠です。昼食休憩や混雑時間帯に合わせて人員配置を変えるなど、現場のリズムを想定した体制を組みましょう。
さらに、個人のスキルや役割に応じて担当エリアを決めておくことで、対応漏れや混乱を防げます。事前にリーダーを決めておくと、現場での調整や判断もスムーズになります。
朝礼・終礼で状況をリアルタイムに改善
展示会期間中は、毎日の朝礼と終礼で情報共有をおこなうことが、現場力を高めるポイントです。朝礼では「来場者の傾向」や「注力すべきターゲット」の確認を、終礼では「反応が良かったトーク例」や「改善点」を共有し、次の日の改善につなげます。
来場者の滞在時間は1〜3分程度と非常に短いため、第一印象とスムーズな連携が何より重要です。そのためには、「誰が・いつ・何をするか」を事前に明確にし、ブース内での動き方をチーム全体で共有しておくことが鍵です。
トークスクリプトで営業の質を均一化する
展示会の対応品質は、商談化率に直結します。複数のスタッフがブースに立つ展示会では、担当者によって話す内容や提案の切り口がバラバラになりがちですが、スクリプトの整備により「一定の品質を担保する」ことが可能になります。
初期ヒアリングの質問テンプレートを用意する
「御社で現在〇〇についてお困りのことはありますか?」「他社製品を導入済みですか?」といった基本質問をリスト化し、聞き漏れや対応のばらつきを防ぎます。
サービス紹介の構成を共有する
製品紹介は、できるだけ簡潔かつ効果的に。スクリプト例では「課題提起→解決策提示→導入メリット」の3段階に整理することで、伝えるべき情報を絞りつつ相手の興味を引きます。
アポクロージングの一言例も事前に準備
商談につなげるためには、会話の終盤で自然にアポイントを打診する「クロージングの一言」をあらかじめ準備しておくことが重要です。
- 「このあと資料とあわせてご案内させていただきますので、お時間いただけそうですか?」
- 「来週あたり、少し詳しくご説明できる機会を設けられればと思いますが、ご都合いかがでしょうか?」
これらのフレーズは、あくまで自然な会話の中で相手の関心や課題を引き出しながら、商談の日程調整など、次アクションにつなげるための導入として有効です。
無理に押し切るのではなく、「相手のために情報を届けたい」というスタンスで提案することがポイントです。展示会後のメールフォローやアポイント調整もスムーズに進めやすくなります。
名刺情報と会話内容をその場で記録する
名刺をもらうだけでは、リードの温度感や興味関心は見えてきません。その場でのヒアリング内容を「誰が対応しても、粒度や視点にばらつきがあなく、一定の品質で記録する仕組み」が必要です。
即時データ化と分類で展示会リードを活かす
展示会でのリード情報は、対応したその場で記録・共有できる体制を整えておくことが重要です。名刺交換やヒアリング時に、スマートフォンやタブレットから情報をデータ化する仕組みがあれば、情報の属人化や入力漏れを防げます。
最近では、来場者の入場証に付いたQRコードを読み取るだけで、会社名や氏名などの基本情報を取得できる展示会もあります。名刺の手入力が不要になり、精度の高いデータを効率的に集められます。
加えて、ヒアリングした内容をすぐに整理・分類できるように、事前に共通の記録テンプレートやラベル(例:見込み度「高・中・低」、関心テーマ、検討時期など)を用意しておくと、対応の質と分析効率が向上します。
CRM連携やMAツールの活用を見据えている場合は、リード情報の設計や事後活用のスケジュールも取り決めておきましょう。
記録が即時にデータ化できれば、全社共有もスムーズにおこなうことができ、展示会後のフォローやナーチャリングのスピードと精度が格段に上がります。
展示会から商談を増やすための事後フォローについては「展示会後のフォローで商談を増やすには?CRM・MAを活用したリード管理と育成の実践ポイント」の記事で詳しく紹介しております。
また、展示会の効果計測については「成果の出ない展示会を見直そう!効果計測方法と成功ポイントとは」で解説しています。あわせて参考にしてください。
まとめ
展示会は短時間で多くの見込み客と接点がもてる貴重な機会です。商談につながるリードを逃さないためには、当日の営業体制や記録・対応ルールを事前に整備しておくことが成果への第一歩になります。
タービン・インタラクティブでは、HubSpotを活用した展示会のリード管理・商談設計・ナーチャリング支援までをトータルでご支援しています。「展示会には出ているが、成果につながらない」「フォローの仕組みが整っていない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。