展示会での出会いから商談につなげるには、アフターフォローの精度とスピードが問われます。本記事では、フォロー設計・ツール活用・ナーチャリングの仕組みまで、展示会後フォローで商談につなげる方法を解説します。
目次
展示会後の初動フォローで差がつく
翌営業日午前中までにお礼メールを送る
展示会が終わった後、どれだけ早く、どれだけ適切なフォローができるかが、そのリードが商談へと進むかどうかを左右します。
特に、初動のスピードは成果に直結します。理想的には、展示会で名刺をいただいた日の翌営業日の午前中までに、お礼メールを送信することが望ましいでしょう。この際のメールは、展示会での接点を思い出してもらえる内容と、次のステップへの案内が含まれていると効果的です。
お礼メールの例(件名・本文)
件名や本文構成のテンプレートをご用意しておくことで、誰が対応しても均一な印象を持っていただけます。以下はその一例です。
件名例
- 【展示会ご来場のお礼】○○ブースへお越しいただきありがとうございました
- 展示会ではありがとうございました/資料のご送付です
本文のポイント
- お礼の言葉(「先日は弊社ブースへお越しいただき、ありがとうございました」)
- 当日ご案内した内容の要約
- 資料ダウンロードやサービス詳細へのリンク
- 次のアクションを促す一言(例:「ご不明点やご質問がございましたら、お気軽にご返信ください」
リードの熱が冷めないうちにフォローを開始する
すべてのリードに一律の対応をするのではなく、展示会当日に関心が高かった「ホットリード」から優先的にアプローチすることが肝心です。
ヒアリングの中で導入時期や具体的な課題が明らかになっている場合は、すぐに営業担当がアポ獲得に向けて動くべきです。
次に、「興味はあるが比較検討中」「情報収集中」といったリードも、業界や課題がマッチする場合は、しっかりと事後フォローをおこないましょう。
CRM上でホットリードを明確にし、担当者にアラートを出すことで、優先順位に基づいた効率的な対応が可能になります。
CRM・MAツールを活用した展示会リード管理とフォロー設計
リードが多くなればなるほど、属人的な管理では限界がきます。展示会後のフォロー精度を高めるには、リード情報の管理と活用の仕組みが欠かせません。
そこで重要になるのが、CRM(顧客管理システム)やMA(マーケティングオートメーション)ツールの活用です。
CRMで実現する「展示会リードの質を高める一元管理」
CRMを活用することで、展示会で獲得したリードの情報や商談履歴を一元管理できます 。
- 名刺情報や商談履歴の一元管理
- 営業とマーケティングで共通のリード状況を把握
- リードに対するタスク管理・アポ設定・失注理由などの記録
- 接触履歴やフォロー内容のログ管理
展示会では、短期間に多くの名刺情報が集まり、誰と何を話したかが曖昧になりがちです。その場で記録した「ヒアリング内容」や「商談の温度感や課題」などをCRMで管理することで、社内での情報共有が円滑になり、重複対応などの無駄も防ぐことができます。
また、展示会ごとに入力項目や分類ルール、対応テンプレートを事前に整備しておけば、営業担当が個人のやり方で対応する属人化を防ぎ、チーム全体で成果を出すための基盤が整います。
CRMの機能やメリットについては「CRMとは?機能や導入メリット、活用方法をわかりやすく解説」の記事もご覧ください。

MAで実現する「関心度に応じた自動的なリード育成」
MAツールは、展示会リードの興味関心を継続的に引き出し、営業に引き渡す仕組みを自動化するために役立ちます 。
- 資料DLや興味カテゴリに応じたメール配信
- メール開封・クリックに応じた通知やリマインドメール送信
- リマインドメールや事例紹介など、段階的なナーチャリング施策
- スコアリング機能でホットリードを可視化
MAを活用すれば、展示会で取得したリードをセグメント別に分類し、それぞれに最適な内容でメール配信を行うことができます。
たとえば「今すぐ商談ではないリード」に、展示会直後はお礼メールを送信し、その後も「業界別の事例紹介」や「セミナー案内」などを段階的に配信していくことで、一人ひとりにあわせて関心を維持・醸成していくことが可能です。
また、メールの開封やクリックといった反応をもとに、関心度の高いリードを営業担当に通知する設計にしておけば、タイミングを逃さず次のアクションにつなげられます。
ただし、MAは一度設定すれば成果が出るツールではありません。メールの配信設計・スコアリング・反応分析・改善のサイクルを回すなどの施策実施体制が必要です。営業・マーケが連携し、施策目的とターゲットを明確にしたうえで運用ルールを決めることが成功の鍵となります。
ツール活用による事後フォローを円滑にするために
ツールは導入するだけでなく、どのデータをどのように記録し、誰がアプローチするかの運用ルールを整える必要があります。
営業側で商談・案件管理にSFAを活用している場合は、CRMからの情報の連携方法や、マーケティングチームがMAツールでおこなう施策についても、示前に共有できる体制を整えれば混乱がなくなり、よりスムーズな商談アプローチがすすみます。
前述のSFAやMAを活用する場合、HubSpotでは、CRMデータをベースにMA機能やSFA機能がそろっているため、展示会でヒアリングした情報をそのまま活用していくことができます。
「HubSpotは何ができる?初心者の「使いづらい?」を解決する3つのポイント」の記事では、HubSpotの特徴や機能を初心者の方にもわかりやすく解説していますので、ご覧ください。
関連記事:営業効率を最大化する:HubSpotを活用した営業DX事例と実践テクニック
展示会後に商談化しなかったリードの育成方法
展示会で獲得したリードのすべてが、すぐに商談化するとは限りません。むしろ、その多くは今はまだ検討段階にない「潜在層」であることが一般的です。
このようなリードに対しても、将来の受注機会として丁寧に関係を育てていく「ナーチャリング」が重要です。
ナーチャリングで検討時に想起される関係づくり
今すぐのニーズがないリードを放置すると、存在を忘れられたり、競合に取られたりするリスクがあります。重要なのは「いつか必要になるかもしれない相手」として継続的に接点を持ち、関心を高めていくこと。リードナーチャリングの仕組みがあれば、検討タイミングが来たときに選ばれる確率を上げられます。
ナーチャリングの具体例
ナーチャリングといっても、難しく考える必要はありません。以下のようなシンプルな施策でも十分効果があります。
・イベント招待や定期メルマガの配信
展示会で接点を持ったことをきっかけに、最新情報やウェビナーへの招待などを定期的に送ることで、接点を維持します。
・導入事例・業界別コンテンツの提供
同業種での成功事例や、課題解決に役立つコンテンツ(ブログ、ホワイトペーパーなど)を送ることで、自社サービスへの関心を高めていきます。
・再アプローチタイミングのリマインダー設定
ヒアリング時に「半年後に再検討予定」と聞いた場合、その情報をCRMに登録し、半年後にフォローアラートが出るように設定しておけば、タイミングを逃さずアプローチできます。
関連記事:リードナーチャリングとは?必要性とリードの育成方法、成果をあげるツールを解説
「失注理由」も資産として活用
また、失注理由を記録しておくことも重要です。「他社と比較検討中」「予算がついていない」「検討時期が半年後」などの情報をCRMに残しておくことで、再アプローチ時の判断材料となります。
こうした情報があれば、次回のアプローチ時にその状況の変化を確認することで、より的確な提案が可能になります。
まとめ
展示会終了後1週間以内のアプローチが最重要フェーズです。ここで的確なアクションを取れる体制が整っていれば、商談化率は大きく向上します。MAやCRMの導入も有効です。営業とマーケが連携し、リードの育成から受注までをつなげる体制を整えましょう。
タービン・インタラクティブでは、HubSpotを活用した展示会のリード管理・商談設計・ナーチャリング支援までをトータルでご支援しています。「展示会には出ているが、成果につながらない」「フォローの仕組みが整っていない」とお悩みの方は、お気軽にご相談ください。