こんにちは。宮古島出身の山里です。
ここ数年、宮古島は観光地としてだけでなく「暮らす場所」としても注目を集めています。
美しい海と自然、ゆったりとした時間、そしてリモートワークの普及などが後押しとなり、島外からの移住者は年々増加しています。
その一方で、地元の方々からは「家賃が高くて住めない」「借りられる物件が見つからない」といった声も多く聞かれるようになりました。
今回は、宮古島の家賃高騰についての現状と、それが企業の採用や地域社会に与える影響について考えてみたいと思います。
目次
なぜ、家賃が高騰しているのか?
宮古島の家賃が上昇している背景には、いくつかの要因があります。
• 観光需要の高まりと民泊施設の増加
住宅が宿泊施設として転用されるケースが増え、長期賃貸物件が減少しています。
• 建築コストの上昇
資材の運搬費用や人件費など、離島特有の事情により、建物の新築・改修コストが高騰。これが賃料にも反映されています。
• 移住者による賃貸需要の増加
本土からの移住希望者が比較的高い家賃でも契約することで、相場が押し上げられている面もあります。
• 土地価格の上昇
近年は土地売買価格も上昇傾向にあり、賃貸物件の価格にも影響を及ぼしています。
実際の家賃相場
現在、宮古島市内の家賃相場は体感として、以下のようなイメージです(2025年時点の一例):
• 1K〜1LDK:7万円〜10万円
• 2LDK:11万円〜15万円
• 3LDK以上:16万円以上
市街地や海沿いの人気エリアでは、これ以上の家賃設定も珍しくありません。
地元の暮らしに与える影響
このような状況は、島に暮らす地元の方々にも大きな影響を及ぼしています。
特に、子育て世代や若年層が「住める場所がない」と島外への転出を考えるケースが増えています。
サービス業や教育・福祉など、地域の生活を支える職業に就く人たちが暮らしにくくなることは、長期的に見て島全体の活力を奪うリスクにもつながりかねません。

採用にも影響する「家賃問題」
私たちは宮古島で事業を展開する企業として、採用活動にもこの家賃問題の影響を強く感じています。
「宮古島で働きたい」と声を上げてくださる方は全国にいらっしゃいます。
しかし、いざ住まいを探す段階になると、
• 賃貸物件が見つからない
• 家賃が高くて生活が厳しい
• 敷金・礼金や初期費用が負担になる
といった理由で、引っ越しを断念されるケースも少なくありません。
特にITやクリエイティブ系の職種は島外の人材に頼る部分が大きく、「住まいのハードル」が採用活動そのものの成否を分ける要因になっています。
私個人が感じる課題と今後のあり方について
宮古島で暮らし、働く一人の立場として、家賃高騰の問題は「個人の努力だけでは解決できない地域課題」だと感じています。
島に住む人、これから移住して働きたい人が安心して生活を続けられる環境を整えるには、行政や地域全体での取り組みが欠かせません。
たとえば、
・若い世代や移住者が無理なく暮らせる家賃水準の確保
・空き物件の有効活用や、地域ぐるみでの情報共有体制
・企業・行政・不動産事業者が協働できる仕組みづくり
といった取り組みが、今後ますます重要になっていくと感じます。
私自身も、こうした課題を身近なテーマとして考え続けながら、
「暮らし続けられる宮古島」を実現するために、個人として何ができるかを考え、行動していきたいです。
未来に向けて
宮古島の魅力を守りながら、持続可能な地域社会をつくっていくためには、観光や移住を促すだけでなく、「暮らし」の視点を丁寧に考えることが欠かせないと感じます。
採用、住まい、地域との関係性──これらは切り離せるものではなく、すべてがつながっているからです。
もしこの記事を読んで、
・宮古島で働く・暮らすことについて興味を持った
・地域の住宅や暮らしの課題について感じることがあった
そんな方がいれば、ぜひ行政や地域の方々への意見発信や、地域の取り組みに関わるきっかけとしてもらえたら嬉しいです。
一人ひとりが「暮らしやすい島のかたち」を考えることが、未来の宮古島をつくる第一歩になると信じています。
