宮古島出身。カメラマン! 宮古島のいろんな事を紹介をしていきます。
公開日:2016年11月07日
投稿者:山里 瞬 / カテゴリ:その他
みなさま、こんにちは。
今回は「日本一恐ろしい」と一時話題騒然となった宮古島の伝統行事「パーントゥ」について取材してきましたので宮古島出身の私、山里がその模様をお伝えします。
まだまだ暑い日差しが続く10月のとある金曜日、我々は出発しました。
宮古島の中心街から北西にある池間島方面に向けて車を走らせると、しだいに建物が少なくなり、道の両脇は人の2倍くらいあるサトウキビ畑一面になります。
そんなのどかな光景になごみつつさらに進むと、いよいよ目的地である「狩俣島尻」到着です。
狩俣島尻は普段は”ザワワ・・・ザワワ・・・”と風にそよぐサトウキビの音がのどかに響く静かな集落ですが、年に一度この日ばかりは村に悲鳴(と歓声)が湧きあがります。
はっ。かすかな悲鳴が・・・
声の発信源に目を向けると・・・お祭りの主役が現れました・・!
初めて子供が見たら、確実にトラウマになること間違いない光景です。
この正体は怪人…ではなくパーントゥと呼ばれる神様です。
パーントゥとは、当地の方言で妖怪や鬼を意味するそうです。 島尻地区では仮面をつけ全身蔓草をまとい泥まみれになったパーントゥ神役の若者が各戸を巡り、人々に泥をつけて災厄を祓い祝福をしてくれます。
それぞれ神様3体が訪れ、無病息災・厄払いをしてくれるとてもありがたい日なのです。
国の重要無形民俗文化財にもなっているとても貴重なお祭りです。
参考 |文化庁:国指定文化財データベース
こうした貴重なお祭りを続けていくためには、注意点もあります。
実際、お祭りの当日には島尻入り口に注意事項が貼られます。
↓
"この祭りは、厄払いの意味を込め、仮面を着けた神様が人々に容赦なく泥を塗る伝統的な行事ですので、泥を塗られたくない方は、入らないでください"と書いてあります。
「容赦なく」というニュアンスがリアルですね。
近年、観光で見に訪れた方が泥を塗られ、「服を汚された」「抱きつかれた」「カメラを泥だらけにされた」などの苦情が寄せられ、中には怒った観光客の男性があろうことかパーントゥを暴行する事態もあったそうです。
一時は中止も検討されたパーントゥですが、現在は大々的に宣伝するのを控え、直前まで日程を公表せず、直接宮古島観光協会にお問い合わせがあった場合のみ伝えるなどの対応で問題を防ぐ工夫をしているようです。
そしてその際にも必ず、『汚れてもいい服で来てください!』と念を押しています。
では、泥まみれになる覚悟を決めていざお祭りへ。
「キャーーーッ」と遠くから悲鳴が・・・
近づいてきたので風景と同化しながらやり過ごし・・
でもご利益は欲しいので、びびりつつちょっとだけ近づいてみます。
完全に腰がひけてます。
しかも汚れてもいい服でと聞いたはずなのに、これお気に入りのTシャツでした。
この躍動感。
無病息災・厄払いのご利益をみんなに与えるために走り回るパーントゥ。
島の住民は泥を塗られても、お酒やご飯をふるまい、「今年も健康でいられる、ありがとう」
と笑顔で喜んでいます。
妊婦さんは安産祈願のためお腹に触れてもらったり、子連れの方は子供の健やかな成長を願い触れてもらっています。
同行した宮古島スタッフのともやんもこの通り(嬉しそう)。
夜8時になると、スピーカーから終了のアナウンスが集落に響きわたり、神様はちらっと仮面の中から笑顔を見せ、闇の中に消えていきました。
25年ぶりに参加した”パーントゥ”。
自分が子供の時はただただ怖いだけのお祭りでしたが、大人になって参加してみると、百年以上続くパーントゥ・プナハのもつ伝統や歴史の大切さを理解することができた気がします。
泥でお気に入りのTシャツは汚れてしまいましたが、それも笑顔でありがたく受け取り、とりあえず今年1年は尿管結石が再発しないよう無病息災で過ごし、また来年神様に会いに行こうと思います!
いつもは長閑な宮古島で開かれる特別なお祭りパーントゥ。
一風変わった神様の出現にみんな怖がりながらも笑い声で包まれた狩俣島尻。
ぼくもご利益を頂き、今年は無病息災で楽しく働けると思います!
宮古島には他にもたくさんの歴史ある伝統行事がありますので、これからも積極的に参加し、ブログで報告したいと思いますのでどうぞお楽しみに。
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記事投稿者: 山里 瞬
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