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福井鋲螺株式会社様

営業を加速させる“信頼性”中心設計のグローバルWebサイト構築

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福井鋲螺株式会社様

  • 公開日:2024年9月30日

福井鋲螺株式会社様は、自動車・エレクトロニクス等の製造業向けの約8,000種類に及ぶ精密部品を提供するグローバルメーカーです。ヨーロッパや北米、タイを含む海外拠点体制を活かし、信頼性を重視した情報発信でグローバルサプライチェーンを支えるパートナーとして存在感を高めています。さらに、品質マネジメント(ISO 9001)、自動車産業向け品質規格(IATF 16949)、情報セキュリティ(ISO/IEC 27001)といった国際規格、さらにコンプライアンスの取り組みを基盤とし、高品質で信頼性の高いソリューションを実現しています。

プロジェクトの課題と解決

01.分立したWebサイトの一元化と迷わないユーザー体験の実現

ブランドマーケティングチームご担当者

旧来は国内サイト(英)と福井鋲螺の米国子会社である「BYORA USAサイト」が別々に存在していました。2つのサイトの掲載内容の多くは重複していたのですが、細かな差異や掲載内容の相違があり、ユーザーは「どの情報が正しいのか」が判断できない状態に。また、問い合わせの導線もそれぞれのサイトにあり、「問い合わせ先はどこが正しいのか」も分かりづらく、一貫性がなく、企業としての信頼性を損なっている状態でした。こうした状況を受け、福井鋲螺としては、グローバル全体で一貫したメッセージと信頼性をユーザーに届けるため、国内サイトとBYORA USAサイトをどのように統合・整理すべきかを検討。ISOや海外拠点など、国際的な取引に欠かせない信頼情報を一元的に提示し、各地域のユーザーが求める情報に迷わずたどり着ける導線設計を目指しました。

02. ISO認証の明示と海外における信頼獲得

日本国内の福井鋲螺グループとしてはISOの各種認証を取得していますが、北米の営業拠点の子会社であるBYORA USAはISO認証を取得していないため、ISOの規約上、当時のBYORA USAサイトにISO認証取得を掲載できないことは当社にとって非常に悩ましい状況でした。海外顧客はISOなど第三者規格を信頼の評価指標の一つとして重視するため、ISOを提示できないことは大きな不利となり、国際的な信用形成に課題を残していました。この課題に対して「グループとしての信頼性をどのように一貫して伝えるか」をテーマに検討を開始。子会社単独ではなく、福井鋲螺グループ全体を代表する新たなグローバルサイトを設けることにより、ISO認証や海外拠点情報をまとめて発信できる体制を構想しました。

03.HubSpotを基盤にした“成果の見える化”と“運用内製化”

以前は、企業サイト(日・英)と米国子会社の BYORA USA サイトの3つのWebサイトを運営していましたが、いずれのサイトも共通して、アクセス数や問い合わせ数といった成果を数字で正しく追う仕組みが整っていませんでした。また、更新体制が脆弱で情報発信の頻度と質が安定せず、新規問い合わせも伸び悩むという課題もありました。こうした状況を踏まえ、限られた人員でも継続的に運用でき、情報発信の内容と成果を一体で管理できる仕組みが必要と判断し、コンテンツ管理・アクセス解析・問い合わせ管理を一元的に行えるHubSpot CMSの導入を検討しました。

04.“らしさ”と“信頼”を同時に伝えるコンテンツ&ビジュアル

旧来の国内サイト(英)と福井鋲螺の米国子会社であるBYORA USAサイトは、コンテンツが少なく情報の鮮度も低かったため、自社の強みを十分に打ち出せていませんでした。また、国際取引で重視されるISO認証や情報セキュリティ、コンプライアンスへの取り組みなどの情報発信も限定的で、信頼性を裏付ける情報が整理されていない状態でした。こうした課題を踏まえ、国際的に求められる信頼情報の発信を強化しつつ、デザインは福井鋲螺のブランドを一貫して表現することを目指しました。

サイトデザイン

  • サイトデザイン

Webサイトリニューアルを終えて

サイトデザインとHubSpotのダッシュボード画面

営業成果を見据えた情報設計と導線最適化

グローバル視点で国内サイト(英)とBYORA USAサイトの内容を一本化し、「BYORA INTERNATIONAL」として統合したグローバルサイトを新設。ブランドアイデンティティであるネジバナ由来のピンクと羽ロゴを随所に取り入れ、統一感あるデザインを実現いただきました。単なる「見栄えの刷新」ではなく、海外顧客が重視する情報の順番や導線、そして運用体制まで含めた「営業視点のサイト」になりました。品質や製造に関するISO認証や情報セキュリティ、サステナビリティへの取り組み、海外拠点体制といった情報をわかりやすく整理して提示し、さらに、お問い合わせへの導線を明確化することにより、ユーザーが迷わず目的の情報やお問い合わせ窓口にたどり着ける構成に。
また、製品については形状の特徴や、加工の種類が多岐に及ぶ製品を「カスタム品/規格品」などの大分類や技術名から探せるよう再構成し、お問い合わせに直結する探索体験を構築したことで、製品・技術の訴求力が高まりました。

商談中のミーティングの様子

信頼性を軸に据えた逆算型アプローチ

海外販路の拡大という自社の中長期ミッションと、限られたマーケティング人員で成果を出すことを前提に、タービンさんは「信頼性の証跡をどう一貫して見せるか」から逆算した提案をしてくれました。米国子会社サイトでは規約上ISOを明記できず、信用形成で不利という言語化しづらかった本質課題を明示してくれたことにより、グローバルサイトとして統合する方針に確かな納得感を持って賛同することができました。設計面では、ISO認証や海外拠点体制を明示し、信頼性を最短で伝えられる構成に。さらに拠点情報を一元化し、製品ページとも行き来できる導線を整えることにより「福井鋲螺としての強み」を正面から提示することができるサイトに生まれ変わりました。

HubSpot導入による成果の可視化と運用効率の向上

CMSをHubSpotに統一。HubSpotのCMSであるHubSpot Content Hubは、コンテンツ管理だけでなく、アクセス解析や問い合わせ管理を一つのプラットフォームで行えるため、施策と成果を関連付けて確認できるようになりました。アクセス数や問い合わせ数が自動で集計され、ダッシュボード上でリアルタイムに可視化できるため、以前は手作業で行っていたレポート作成が効率化され、どのコンテンツが成果に寄与しているのかを容易に把握できるようになったんです。
結果として、改善ポイントを検討しやすくなり、情報発信と成果を結びつけた改善サイクルが回せるようになりました。さらに、HubSpot Content HubによりWebサイトの編集環境を整備し、少人数でも滞りなく更新できるワークフローを確立。成果の見える化と更新の即時性・運用効率の向上を同時に実現しました。

ミーティングの様子

信頼獲得による、質の高い問い合わせの増加

公開後はアクセス数・お問い合わせ数ともに伸長し、特にNDA前提の具体案件や、北米・欧州など狙いたい地域からの引き合いが明確に増えました。福井鋲螺社内での認識や、海外の外国人スタッフからの声を踏まえると、海外では「東アジアの中小メーカーは品質や信頼性に不安」という固定観念を持っている傾向にありましたが、今回のグローバルサイトではISOや拠点体制を正面から提示できたことにより、そうした懸念を払拭できたと感じています。実際に、誰もが知る大手・系列からの打診も増え、国際的な信頼性が高まったことを実感しています。社内でもトップページの印象に対する評価が高いだけでなく、Webサイトの運用性についても好評です。グローバルサイト立ち上げから約1年で目標の80件を大きく上回る150件に達し、サイト立ち上げ以前と比較して約3.7倍増加という結果が、施策の効果を明確に示しています。

  • ブランドマーケティングチーム
    ブランドマーケティングチーム 係長
    竹内昌嗣様(写真右)
    ブランドマーケティングチーム 主任
    古村 佳緒里様(写真左)