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HubSpotは何ができる?初心者の「使いづらい?」を解決する3つのポイント | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2023年11月20日

CRMやマーケティングオートメーションを検討する際に名前があがるツール HubSpot(ハブスポット)。
「具体的にどのような機能やメリットがあるのか」、「リソース不足の自社にも適したツールなのか不安」とお悩みではありませんか。また「HubSpotは使いづらそう」といったイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

HubSpotは、2006年アメリカのマサチューセッツ州で創業し、世界120か国以上・15万社以上で導入されているCRM(顧客関係管理)プラットフォームです。
なぜこれだけ多くのユーザーに使われているのか。その秘密は、徹底した顧客中心の考えに基づいたプロダクト設計と言えます。この記事では、HubSpotの特徴や使い方、初心者がつまずきやすいポイントについて詳しく解説します。

HubSpot(ハブスポット)の特徴

購買行動が多様化した今、見込み客から成約し、優良顧客へとなるプロセスも複雑です。フェーズによって異なるツールでの管理では、運用の複雑さや部門間連携が困難になり、顧客ニーズの変化に対応しきれないともいえます。

HubSpotは、優れた顧客体験の創出に貢献するために「部門を横断して顧客情報の一元管理ができる」カスタマープラットフォームを実現しました。そのため、HubSpotは、顧客関係管理システムであるCRMが基盤となり、そこへMAやSFAなどの必要な機能を組み合わせて効果を最大限に発揮していく仕様となっています。
また、HubSpotが企業と顧客とのつながりを強化するツールとして、2023年にはAIを活用したサポート機能の提供も始まりました。過去の顧客データを分析するだけでなく、新しいコンテンツやインサイト生成などが搭載されています。

HubSpot のこだわり

各ソフトウェアの説明をする前に、ご紹介したいのがHubSpotが提唱してきた「インバウンドマーケティング」です。この言葉は昨今、日本のBtoB企業のマーケティング活動にも浸透しており、聞きなれた方も多いかもしれません。

HubSpot創業のきっかけに、ユーザーの消費行動の変遷があります。当時、企業からユーザーへセールスメッセージを提供する広告や展示会、営業電話などが主流でしたが、一方でインターネットが普及し、ユーザー自身が課題を検索し、有益なコンテンツを見つけ、シェアするという行動が広がり始めていました。
こういったユーザーたちにとって、自身の課題や時間のゆとりに関係なくアプローチされる企業のマーケティング手法はミスマッチも多く、歓迎していない一方で、有益な情報は切に求めているという心理に着目し、「インバウンドマーケティング」という手法にたどり着きました。

一方的な営業活動ではなく、顧客を思いやり、有益なものを提供することで、顧客の満足度とともに企業の成長も実現できるという考えのもと、各マーケティング・営業活動が一元管理できるプラットフォーム設計にこだわりました。

インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングは、見込み客が興味をもつコンテンツを発信し、彼らが課題や関心をもったタイミングで、そのコンテンツを見つけてもらうところからはじまります。ブログやメールなどを用いて、課題解決や購買への意欲醸成など段階的なコミュニケーションで顧客へ転換していくマーケティング手法です。
企業側からの一方的な売り込みではなく、顧客が求めるものを求めているタイミングで提供していくことで、カスタマーサクセスを通じたサービス満足度の向上により、推薦者となるまでの流れを描いています。

さて、この思想をプロダクトに落とし込むと、どのような特徴があるのでしょうか。

HubSpot(ハブスポット)CRMの評判

顧客の購買行動もオンラインシフトが進み、ユーザーが自身が求めるサービスを認知し、検討から導入に至るまでの行動や顧客との接点や、そこで生み出される情報が多様化しています。日本のBtoB企業でも、マーケティングや営業・顧客サービスを提供する際に、顧客データの管理や活用、効率化の需要が高まり、それぞれの業務最適化ツールを導入する企業が増えてきました。

活用する部門や目的に合わせて、各部門ごとに別々のツールを使うことも多いのですが、ツールが分かれていると顧客情報が分断してしまい、業務効率の低下につながることがあります。
また、「異なるツール同士でも連携できる」と導入しても、実際に動き出したデータや業務フローを整理しながら、連携させるための設計や設定が煩雑で、結局連携が進まないまま…というお悩みもよく聞きます。

HubSpotは、部門横断した顧客情報の共有が円滑になるようCRM(顧客関係管理システム)を基盤として、マーケティング・セールス・サービスなど豊富な機能を1つのプラットフォームで統合的に管理することができるクラウドサービスです。


※MITスローン経営学大学院による分析結果

では、実際に使用したユーザーの声から、HubSpotの特徴をみていきましょう。

HubSpot の良い評判

  • リード獲得から営業、契約後のフォローまで顧客を一元管理できる
  • コンテンツ作成からマーケティングオートメーション、顧客管理など機能が豊富
  • UIがわかりやすく、メールやレポートも作りやすい
  • ノーコードでフォームやLP(ランディングページ)が簡単に作れる
  • 無料で使える機能もあり、始めやすい料金設定

HubSpot に改善してほしい点

  • 機能が豊富すぎて、使いきれていないと感じる
  • HubSpot特有の用語が分かりづらい
  • 英語版を翻訳したサポートページのため、説明がわかりにくいところがある
  • 使い方を理解するまでに時間がかかる

前述した通り、豊富な機能と分かりやすいUIで、部門横断した活用も効率よく行える点がHubSpotの強みと言えます。一方でその豊富すぎる機能や外資系ツールにおこりがちな言葉のネックにより、つまずいてしまうユーザーも多いようです。

では、HubSpot 導入後に円滑に使いこなすために、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

HubSpot 初心者の悩みを解決する3つのポイント

「自社にあったHubSpotの使い方」にたどり着く前に、多くのユーザーが最初につまずきやすいポイントをご紹介します。ここを乗り越えられれば、HubSpotの導入効果をより実感できるので、ぜひ抑えましょう!

1.HubSpot の機能と活用イメージ

まず、BtoBの顧客コミュニケーションフロー例に沿ってみていきましょう。
マーケティング、インサイドセールス、営業、カスタマーサービスの各部門が、それぞれのフェーズにあわせて施策を打ち、顧客や企業の情報を収集していきます。

この顧客データが分断していると、せっかく各部門がアプローチした顧客の反響や情報が引き継がれず、再度顧客のニーズを探るところからコミュニケーションが始まりかねません。これは顧客にとっても、企業にとっても痛手といえるでしょう。

それでは、先ほどのフローにHubSpotの各ソフトウェアを当てはめてみます。各部署が取得した顧客情報は「HubSpot CRM」に集約しながら、各部門の業務内容をサポートする機能が提供されています。

HubSpot CRM でできること

HubSpotのCRMは、顧客の管理だけに留まりません。営業や成約後の顧客フォローまで見据えたプラットフォームです。
見込み客の会社名や部署・役職などの属性情報から、フォーム送信履歴、メールの開封・クリック・ページ閲覧履歴などリアルタイムでの行動履歴も反映します。

他ソフトウェアを組み合わせることで、インサイドセールスや営業からのアプローチや、カスタマーサービスへのお問い合わせ履歴など、顧客満足度を向上するサポートを強化することが可能です。

<機能例>
・企業やリードの情報管理        ・見込み客の行動履歴
・アプローチ履歴                          ・レポート分析 

Marketing Hub でできること

代表的なものとしてマーケティング・オートメーション(MA)機能があります。
この機能を用いて、Eメール機能で作成した魅力的なEメールを、理想的なタイミングで送信するようにワークフローを組むことで、リードナーチャリングのプロセスを自動化できます。
他にも、豊富なテンプレートからLPやフォームを簡単に作成したり、配信したEメールの反響(開封数やクリックした箇所など)の分析、広告やソーシャルメディアと連携させて効果を見ながら集客を強化することが可能です。

<機能例>
・マーケティングオートメーション
・LPやフォーム作成                                       ・メール配信
・A/Bテスト                                                       ・ウェブチャット
・WebサイトやブログなどSEO強化         ・広告/SNS連携

Sales Hub でできること

代表的なものとして、取引(商談)やパイプライン管理があります。
クリック1つで営業チームが対応している取引情報の保存、追跡、管理、レポート作成、タスクの割り当てが行えます。またセールスダッシュボードでは、ノルマの達成状況や、主要なセールス活動の月ごとの傾向、パイプライン全体の取引額と正常性をチェックできます。

さらに、Sales Hubは2023年に大型アップデートが発表されました。営業担当毎のタスクや一日のスケジュールをHubSpot上で確認できる管理画面、業績目標の傾向レポート、取引にいたるまでのジャーニー分析など、営業チームが顧客との関係性構築に注力できるように様々な機能が追加・更新されています。

収益を拡大できるチャンスをパイプライン全体から見つけ出すことで、有望な取引に人員を配置することができ、チーム全体の実績も担当者別の実績も、総合的に把握できます。

<機能例>
・パイプライン管理                               ・タスク管理 
・担当者別生産性パフォーマンス    ・取引予測/取引ジャーニー分析 
・ミーティング予約                               ・メールトラッキング/通知
・営業担当者専用ワークスペース ・フォーキャストインサイト 

関連記事:【速報】INBOUND2023 HubSpot最新アップデート・Sales Hubの刷新

Service Hub でできること

代表的なものとしてナレッジベース機能があります。この機能を用いて、ユーザーからのお問い合わせでよくある質問に対して、ヘルプ記事を作成することができます。

またユーザーは、困った悩みについて検索窓で検索し、解決策が掲載されているヘルプページを探すこともできます。このように、ユーザー自身で課題を解決する手段を提供することで、サポートチームは、より複雑な問題への処理に時間を充てることが可能になります。

<機能例>
・カスタマーポータル                           ・ナレッジベース
・ウェブチャット                                    ・チケット管理
・顧客フィードバックアンケート     ・タスクの自動化

ほかにも、コンテンツ管理システム「CMS Hub」や顧客データの管理・業務自動化で部門連携をより円滑にする「Operation Hub」もあります。
ご紹介する機能は一例ですが、企業によってどこから導入すべきか検討する際の参考になれば幸いです。

2.HubSpot でつまずきやすい用語

HubSpotの全体像が見えてきたでしょうか。次に、HubSpot初心者がつまずきやすい用語について解説していきます。

HubSpot のデータ構造と各名称

導入後、「自社が保有している顧客データをHubSpotで活用しよう!」と管理画面を開いたものの、最初に戸惑いそうなデータ構造と各名称を解説します。

まず、顧客情報管理の基本として「個人・企業・案件」の3つがありますね。
HubSpotでは、個人データを「コンタクト」とよび、メールアドレスを軸として管理します。付与する情報としては、氏名・部署・役職などがあります。

企業データは「会社」とよび、ドメインがキーになります。こちらは、業種、所在地、従業員数、資本金などの情報が例にあげられますね。
また、案件は「取引」とよびます。営業担当者や先方の検討フェーズ、クロージング時期、見込み金額や競合などが付与できます。

もちろん、標準設定されている基本項目以外にも、自社で独自の項目を付与し、管理やレポートに活用することができます。

またこれらのデータの持たせ方は、下記の通りです。

名称

説明

オブジェクト

情報をまとめておく箱

コンタクト・会社・取引

プロパティ

各オブジェクトにあるデータの項目

会社名、電話番号、
メールアドレス

レコード

それぞれのプロパティが持つ実データ

○○株式会社、
080-0000-0000

言葉だけだと分かりづらいですが、イメージとしてはこちらです。
先ほどの、コンタクト・会社・取引もそれぞれ紐づきあって情報連携しますが、データ管理上は「オブジェクト・プロパティ・レコード」という名で分類されています。

スプレッドシートで例えるとシートが「オブジェクト」、ヘッダーのデータが「プロパティ」、実データが「レコード」となります。
実際のHubSpotの画面ではこのように紐づいています。

また、コンタクトに対して実行されるアクション(Eメール、メモ、タスク、電話、ミーティング)などは「アクティビティー」という名前で、コンタクトページ上で閲覧が可能です。

マーケティングメール配信時の用語例

HubSpotでマーケティングメール施策を打つ際の基本的な用語もご紹介します。

―Eメールの配信種別

Eメール配信タイプを次の3つから選びます。

「通常送信」:都度、配信対象者と配信日時を設定してメールを送信します。
「自動送信」:フォームに対する自動返信等、ユーザーのアクションや指定した条件をトリガーにメールを自動配信する際に用います。
「ブログ/RSS」:コンテンツの公開に伴い、指定したタイミングで最新情報を登録者へ配信します。

―Eメールの宛先指定

メールの宛先は、メールアドレスを直接指定することも可能ですが、指定した条件に該当する対象者を「リスト」として絞ることができます。
例えば「該当するセミナーのフォームに申し込んでいない人」を動的に反映するリストを作成し、既に申込済みのユーザーへのセミナー集客メール配信を避けることなどができます。

―Eメール配信結果

配信したメール毎に、配信状況や反響のレポートが表示されます。
開封率やクリック率は分かりやすいかもしれません。

バウンス(不達)」は、受信者へEメールを配信する際になんらかの問題が発生し、配信不能となった数です。Eメールが間違っていたり、先方のセキュリティフィルターによって受信ブロックされていることなどが考えられます。

1つ1つは聞きなれない用語でも、意味が分かれば難しくないのではないでしょうか。HubSpotの用語や使い方が分からない場合、どう解決できるのかサポート体制もご紹介します。

3.HubSpot のサポート体制

HubSpotは、有償のProfessional・Enterpriseプランであれば導入支援としてカスタマーサクセスの担当者がつき、ビジネスモデルのヒアリングから自社にあった活用支援が定期的に提供されます。

とはいえ、実際の作業ベースでのヘルプは日々発生するため、各サポートチャネルを活用することが多いでしょう。プランによって利用できるサポートは変わりますが、大きく4つの種類があります。
※電話サポートは、英語でのみ提供。

 

HubSpot
無料ツール

Starter

Professional

Enterprise

ナレッジベース

コミュニティ

チャットサポート

Eメールサポート

このほかにも、利用者向けにHubSpotの機能や活用方法を学べる無料のオンライントレーニング「HubSpot アカデミー」などもあります。

HubSpot初心者が使いやすいのは「チャットサポート」

既定の営業時間内であれば、日本語対応ですぐに返信がきます。ちょっとした作業のつまずきや、設定がうまく反映されない事象など、文章で説明しきれなくても、画面のスクリーンショットなども添付できるため気軽に質問が可能な点も魅力です。

質問の仕方のコツとしては、困っていることと実現したいことを明確に記載することです。必要に応じて、該当ページのリンクを貼るなどでスムーズな解決にすすみます。
休日や夜間などの日本語対応時間外は、英語翻訳してチャットは可能です。混雑時はチャット受付がクローズして、Eメールサポートを案内されますが、翌営業日には返してくれることが多いです。

いずれも質問と回答の記録は残るので、再び同じ事象になった際も、自分で検索して解決することができます。ここを積極的に活用し、早々にHubSpotを使いこなしましょう。

調べたい機能が明確なら「ナレッジベース」

HubSpotの様々な機能のガイドや記事があるナレッジベース。英語文章を各言語に翻訳しているため、分かりづらいと感じるユーザーの声も。情報が潤沢なため、調べたい機能や用語がはっきりしている場合は見つけられますが、「こんなことができないか」など活用イメージから検索するには、初心者には少々ハードルが高く感じるかもしれません。

上級ユーザーの知見を得たいなら「コミュニティ」

HubSpotを利用しているユーザー同士のコミュニティです。他の方の回答閲覧だけなら誰でもできますが、質問の投稿や回答については、プロフィールの登録・公開が必要です。

長文の質問もあり、機能や用語軸だけでなく、実現したいイメージや悩みなども会話されているので、自分ではたどり着かなかったヒントを得ることも。こういったコミュニティに抵抗がない方は、是非活用してください!

改善してほしい声にもあった、サポートの分かりづらさは「チャットサポート」を活用できれば解消される面も多いと思います。
忙しい中、新しいツール導入で「分からないことが分からない」状況は多々起こりますよね。そんな時も、小さな疑問からどんどん解決していきましょう。

HubSpot が向いている企業とは

では、HubSpotはどのような企業に向いているのでしょうか。
特におすすめしたいのは「スモールスタートしたい企業」や「マーケティング部署やインサイドセールス部署を立ち上げる企業」です。

スモールスタートしたい企業

HubSpotは、保有するリード数(コンタクト数)や使いたい機能にあわせてプランが選べます。自社にとって一番大事なソフトウェアから導入し、あとから拡張しても同様の顧客情報が扱えます。

例えば、リード獲得やナーチャリングにまず注力したい場合は「Marketing Hub」を導入し、ランディングページやフォームを作成し、メール配信を組み合わせていきます。

この活動で得たリード情報を管理を整えながら、事業や営業を強化していく際に「Sales Hub」を導入し、営業活動の効率化や営業毎のパフォーマンス管理、取引予測へと拡大していくことなどが可能です。

マーケティングやインサイドセールス部署を立ち上げる企業

マーケティング部署で、セミナーやホワイトペーパーなどのコンテンツ用のLPとフォームをHubSpotで作成すれば、コンバージョンしたリードは自動的にHubSpotに取り込まれ、そこからメールや架電のアプローチログが残せるため、マーケティングとインサイドセールス部門が一気通貫でリードの状況を追うことができます。

また、マーケティングやインサイドセールス部署を立ち上げる企業は、すでに営業部署が独自の顧客管理を行っているかもしれません。企業や取引単位で情報管理されていることが多いため、改めて「個人単位」でのリード管理にシフトする必要があるでしょう。

まずは、自社が持っているリードをHubSpotにとりこみ、見込み客・商談中・契約中などのリードステージを分類します。マーケティングやインサイドセールスのアプローチ先である「見込み客」へのメールナーチャリングや、コンテンツ配信、架電時のメモなどを記録として残しながら、営業へリードを引き渡すことができます。
HubSpot完結がスムーズではありますが、既存のSFAツールとも連携可能なものが多いため、導入時に確認するとよいでしょう。