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【インバウンドセールス】とは?営業訪問せず商談成約率を向上させる手法

作成者: 森 としこ|2018年04月17日

インバウンドセールスとは、自社製品を強引な営業で売りつけるのではなく、有益な情報を発信することで潜在顧客を惹きつけ、その購買活動を支援することで最終的に自社の製品やサービスを採用してもらう営業・マーケティング手法です。
本記事では、インバウンドセールスの基本的な概念とメリット、方法論についてご紹介します。

従来の営業手法=アウトバウンドセールスが効かなくなった?!

従来の営業手法(現在でも多くの企業で行われています)は取り寄せた大量の企業情報をもとに営業電話を一方的にかけたり、アポなしで企業を訪問したりするような活動が中心でした。「営業」と聞くと体力や根性が物を言うようなイメージを抱かれる方も多いのではないでしょうか。
こうした手法は、「内から外へ出ていく」「営業側から働きかける」という意味で「アウトバウンドセールス」と呼ばれます。

しかしいま、Webの普及でこのアウトバウンドセールスが機能しなくなってきています。
Googleで検索しさえすれば精度の高い情報が手軽に入手可能でき、製品やサービスの比較も簡単に行えます。最近はSNSなどで実際に体験した人の生の声を集めることも容易になりました。BtoB領域においてもそれは同様で、企業の購買担当者は相手方の営業マンを呼ぶことなく自分だけで事前の購買検討を行えるようになったのです。

このように購買者が購買行動の主導権を握るようになった今、こちらの都合に関係なく営業が押しかけてくるようなアウトバウンドセールスは迷惑なものでしかありません。忙しいときにかかってくる営業電話に辟易した経験を持つ方は多いでしょう。誰も嫌われることをわざわざしたくはないですよね。

では、どんな営業活動をしたらよいのか。
購買者がWebを使っているならば、営業でもWebを活用したら良いのです。

インバウンドセールスとは?

ここで登場するのが「インバウンドセールス」という考え方です。

インバウンドセールスをシンプルに表現するならば、「相手に好まれる営業手法」「顧客の立場に立って行う営業活動」と言えるでしょう。
そこでのポイントは「営業側の都合を押し付けない」ことです。

「相手側から購入してくれるような土台作りをする」「外から内へ」という意味で「インバウンドセールス」と呼ばれるこの手法は、Webを活用したマーケティングと親和性が高く、現在最も話題を集めている営業手法なのです。

インバウンドセールスは、見込み客の役に立ち相手からの信頼を得ることを第一に考えるため、売ることだけに固執しません。
重要なのは、人々の役に立ち、好まれる情報を提供することです。

インバウンドセールスを行うメリット

貴方の会社がインバウンドセールスを行うメリットとして、下記2点が挙げられます。

・顧客に好かれ信頼される
→お役立ち情報を提供することで、商談が成立しやすくなる

・Webを活用することで効率的に集客ができる
→闇雲な外回り営業や電話営業の時間を軽減できる

従来のセールスとはおよそ正反対と言える画期的なこの考え方の有用性をご理解いただけたでしょうか。

それでは、具体的にどうしたら良いか、その方法論を見ていきましょう。

インバウンドセールスの具体的な流れ

2005年に米HubSpot(ハブスポット)社が提唱したインバウンドセールスの方法論が「インバウンドセールス メソドロジー」と呼ばれるものです。
そこでは営業活動の流れを「IDENTIFY(見極める)」「CONNECT(繋がる)」「EXPLORE(探索する)」「ADVISE(助言する)」の4ステージに区切っています。それぞれの段階で買い手に対し最適な行動を順次行い、最終的に営業目標を達成することを目指します。それでは最初から見ていきましょう。

1.IDENTIFY(見極める)

潜在顧客をリード(見込み客)へと移行させるステージです。
自社の製品・サービスを必要としているのは一体誰かということを見極め、ターゲットとする買い手の購買意識のタイミングを判断します。

ここでのポイントは、「誰に」「いつ」自社製品・サービスを提供するかを明確にすること。
必要としていないモノを買う人はいませんし、たとえ必要としている人でもタイミングが合わなければ購買行動を起こしません。

アプローチするターゲットとタイミングを見極めるためには、MA(マーケティングオートメーション)ツール『HubSpot』などを使って自社サイト上の行動履歴を解析したり、メールやソーシャルメディアへの反応をチェックするなどして、見込み度についてよく調査することが必要です。

2.CONNECT(繋がる)

単なる見込み客を質の高い見込み客へと移行させるステージです。
文字通り、この前のIDENTIFY(見極める)ステージで見つけたリードと繋がることが目的です。繋がるとは言っても、相手の状況を無視した一方的な電話営業やダイレクトメールではありません。
インバウンドセールスでは、買い手と良好な関係を築くことが第一。彼らが置かれている状況を把握した上で、最適な方法を使って有益な情報を提供するためのコンタクトを取りましょう。

例えばパーソナライズされたメールなどでその人が今求めているであろう有益なコンテンツ(記事・eBook・デモ・トライアル等)を案内したり、軽い相談に乗ったりすることは、良質な関係を構築する上で特に有効です。

3.EXPLORE(探索する)

質の高い見込み客を購入前の顧客へと移行させるステージです。
この次の最終ステージが「自社製品・サービスの提供を提案する」というものなのですが、その前にこのEXPLORE=「コミュニケーションを通じて買い手の抱える本質的な課題や目標を調べる」というステージがあることを忘れてはいけません。

この時点で既に買い手についてある程度知っている状況であるものの、買い手が本当に望むものをもう一度ここでしっかり把握しておかなければ、最終ステージで効果的な提案ができません。

ここでは電話やメールでのヒアリングを中心とした対話を通じて、時には買い手側にも気づいていなかった潜在的な要望を探し当て、買い手のための方策を考えましょう。コンサルティング的な発想が求められる段階です。

4.ADVISE(助言する)

ここでようやく購入前顧客を実際の顧客へと移行させる最終ステージです。
買い手の課題や目標を完全に把握し、その上で買い手の求めるものが自社製品・サービスに値すると判断できた時に初めて提案を行います
ちなみにここでは必ず、今までのステージで得られた相手の情報をまとめ、相手に合わせて最適化された資料をもって提案にあたりましょう。

特にBtoB企業の担当者は同じ業界の事例や前例を重要視します。相手のニーズなどに加えて自社の製品・サービスの業界別の導入事例やユーザー体験談、導入のメリット・デメリットなどを担当者が上申しやすいようまとめることが効果的です。