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【インバウンドマーケティング】ウェビナーとは?基本知識と開催までのステップを解説

作成者: タービン・インタラクティブ|2017年12月21日

最近日本でも広まりつつあるウェビナー(オンラインセミナー)は、顧客に動画形式で必要な情報を提供できるセミナー方法です。

インバウンドマーケティングの一手段として海外では広く活用されていますが、オフラインのセミナーより安価で手軽に開催できる一方で、プランニングや運営にノウハウが求められます。

そこで今回は、ウェビナーを開催するメリットと、開催に至るまでのステップを5つに分けてご説明します。

ウェビナーを開催するメリットとは?

企業側がウェビナーを行うメリットとして下記が挙げられます。

・コスト、手間を抑えられる
対面形式のセミナーと違い、企業側は会場を用意する必要はありません。また、参加者が少ないことで中止になったりすることもありません。

・一度作れば何回でも再利用できる
ウェビナーは一度作成してしまえば、何度でも再利用できる非常に息の長いコンテンツに成り得ます。 自社サイトに設置するのはもちろん、ブログやメルマガのオファーとして提供するなど、数々の利用方法が考えられます。

・成約につながりやすい見込み客リストを作成できる
特定のテーマに沿ったウェビナーをいくつか用意することで、閲覧者の興味や関心の傾向を知ることができます。『HubSpot』などのMA(マーケティングオートメーション)ツールを使用しリストを作成することで、メルマガで関連商品を個別に案内するなど、様々なアプローチを行っていくことが可能です。

・集客のハードルが低い
参加希望者が「時間や場所の都合が合わずに参加できなかった」ということもなく、好きな時間、場所で閲覧できるため幅広い集客ができます。

・見込み客(リード)の信頼感を得られる
ウェビナーを通じて姿や声、誠実さを伝えることで、サービスへの申込みに繋がります。

ステップ1:ウェビナーを開催する目的とターゲットは?

ウェビナーを開催するに当たっては、目的とターゲットを明確にすることが最も重要です。

誰に対して、なぜウェビナーを開催するのか、ウェビナー開催にどんなメリットが自社および顧客にとってあるのかをはっきりさせましょう。

加えて、ウェビナーを視聴してくれた出席者にどのような行動をとってもらいたいか、CTA(Call To Action)に向けた動線づくりも求められます。

たとえば、法人向けにシステムセキュリティのソリューションを提供している企業がウェビナーを実施するケースを考えてみましょう。目的・ターゲットを以下の二種類挙げてみます。

・セキュリティに興味はあるが、自社のソリューションを全く知らない層に向けて、自社ソリューションのことを知ってもらう

・自社ソリューションに興味のある層に向けて、購買へ向けた動機づけを行う

この2つでウェビナーのコンテンツやフォロー方法などの戦略が大きく変わってくることがお分かりでしょう。

自社ソリューションを知らない層であれば、まずセキュリティ対策の概要やウイルス感染・不正アクセス・サイバー攻撃などの脅威からウェビナーをはじめて、後半で対策事例の紹介、その中で自社ソリューションに触れるという流れが一般的です。

自社ソリューションに興味のある層をターゲットにするならば、「セキュリティ対策の概要」というような一般論は不要です。購買を後押しする情報として、他社と比較した場合の自社の強み、心理的なハードル=買わない理由を崩すためのマインド面の働きかけなどが中心となるでしょう。

一般的に、ウェビナーはナーチャリングのために行われます。見込み客(リード)に対し、自社担当者の顔や声を出すことで信頼感を高められるのがウェビナーのメリットです。

信頼感を高めることは、自ずと購買をためらわせる心理的なブロックを崩すきっかけになります。いきなり購買までつながらなくても、ウェビナー後に訪問や電話によってフォローしやすくなりますし、問い合わせが増えるかもしれません。次のコミュニケーションへつなげられるのも、ウェビナーのよさです。

基本的に、どんな商材でもウェビナーを活用することができます。文章や画像よりも、動画で実際に話した方が理解しやすいものです。

しばしば、クライアントを自社に呼んで製品のデモを行うことも多いのですが、ウェビナーを駆使できればその必要はありません。地理的に離れていてもデモを行えるのは大きなメリットです。

BtoB商材を扱う企業では、ウェビナーには向いていないと思われるかもしれません。しかし、実はBtoBこそウェビナーの活用は有効です。

たとえば、素材メーカーであれば物性をウェビナーで説明し、用途例を示せます。細かい数字を提示しなくても、素材を上から落としてはねる様子を見せるだけで弾力の照明になります。

セミナーや展示会でのデモを実施したことがある企業なら、ウェビナーはすぐに実行可能です。

ステップ2:ウェビナー用コンテンツの準備と要員調達

目的とターゲットを決めたら、それに沿った形でコンテンツを準備するとともに、ウェビナー開催プロジェクトを立ち上げて必要な人・モノを調達していきます。

まず、ウェビナー用のコンテンツを用意します。目的やターゲットに沿った形で、プレゼン用資料や動画、画像を作成しましょう。

たとえば自社ソリューションに興味のない層をターゲットとして設定した場合は、前半でリードが抱えている課題の提示と解決策・事例紹介、後半で自社ソリューションの紹介となるのが一般的です。

コンテンツは、ウェビナーだけで必要となるわけではありません。集客のためのメルマガや(必要であれば)SNS、フォロー用ページ、サンキューメールやウェビナー後のフォローメールに至るまで文章やフォームなどを作成することになります。

つまり、集客~登録者へのリマインド~ウェビナー本番~フォローという一連の流れをプランニングする必要があるわけです。スケジュールや予算も踏まえて、目標達成に向けた現実的なウェビナーの流れを具体化していく作業です。

ウェビナーの準備からフォローまでの流れが見えてきたら、それぞれの作業の担当者を調達する必要があります。一つの部署内で済めばよいのですが、実際は他部署にも声をかけなければならないはずです。早いうちに根回しして、確実にメンバー調達できるようにしておきましょう。

ウェビナー本番のプレゼンター(話者)選びも欠かせません。どの部署の人がよいのかは、やはり目的とターゲットによって異なるでしょう。

自社のソリューションを知らない層であれば、マーケティング部の感じのいい若手がよいかもしれません。知識のある層であれば、安心感を与えるためにも営業部門のエース級社員やマネージャーレベルの人がよさそうです。

ステップ3:ウェビナー用機材・告知ページ等の用意

コンテンツ以外の準備を進めます。ウェビナー用機材の手配と、集客メールや告知ページ、SNSなどを活用した集客を行います。

まずウェビナー用の機材としては、カメラ・照明・ホワイトボード・プレゼンター、そしてライブ配信用のツールが最低限必要です。部屋の見栄えをよくしたいが、自社の会議室だと汚くて……という場合は、セミナールームの手配も必要となります。

カメラや照明などといった機材は、社内にないようであれば業者にレンタルすることになります。どちらも、パソコン用のWebカメラやWebマイクを用意しましょう。内蔵の機器を使用すると、話者とパソコンの距離によっては操作できなくなってしまう可能性があるためです。

ウェビナー用のツール(システム)はたくさん存在します。無料のシステムで最もポピュラーなのは、YouTube Liveでしょう。その名の通りYouTubeを使用したライブ配信システムであり、録画しなくてもそのままYouTubeの動画として保存されるのがメリットです。その一方、ユーザーは巻き戻しができるので、ユーザー側の集中度が少し落ちる点がネックとなります。

YouTube Live

他には、IBM Cloud Vide(旧Ustream)があります。こちらは有料です。視聴時間(配信時間×視聴者数)に応じて値段が変化しますが、100視聴時間までなら月9800円で使用可能です(2017年12月現在)。YouTube Liveとは異なり、巻き戻しができないようになっています。

IBM Cloud Video

他には、CiscoのWebexも外資系企業を中心にテレビ会議やウェビナーでよく使用されています。FacebookのFacebook LiveやLINEのLINE Liveなど、SNSと提携したウェビナーツールもあります。Facebook Liveの場合は拡散性、LINE Liveの場合はLINE@と絡めた利用が考えられます。

Webex

さて、準備作業を具体化し、人を割当て、機器を手配したらあとは集客です。告知メールとフォームを使用するのが一般的です。自社のホームページに、イベントページへのリンクを貼るのも多いでしょう。登録者に対しては、ウェビナー直前(数日前~前日)にリマインドメールを送付するようにします。

ウェビナー前には、話者や当日運営担当者の予行演習を行い、ウェビナーのストーリーや当日の動き、ウェビナー後のフォローといった流れを再確認してください。

 

ステップ4:ウェビナー当日の準備と実施要項

ウェビナー当日の準備としては、機器の動作確認が最も重要です。前日まで問題なく動いていたものが、当日になって調子悪くなることはよくあるからです。当日の会場設営の際に、改めてマイクやカメラ、プレゼンターなどがきちんと動作することを確かめましょう。

さらに、ウェビナーの冒頭の時間を使って、見えているのか・聞こえているのかを必ず確認してください。できれば、社員が別のパソコンからウェビナー視聴者として参加するとよいでしょう。

加えて、視聴者側のパソコン(あるいはスマートフォン・タブレット)のマイクやカメラが機能していることも確認してもらうよう伝えましょう。

特にビジネス用のパソコンですと、音が出ないようにマイクがオフにされているケースもあります。ウェビナーシステムにはチャット機能がありますので、チャット経由で機器確認を依頼します。

ステップ5:ウェビナー後のフォローと振り返り

ウェビナーが終了したら、オフラインセミナーと同様にフォローアップを行います。お礼メールを事前に用意し、当日か翌営業日には送付します。有望なリードの場合は、インサイドセールスから電話をかけて働きかけるのもよいでしょう。

お礼メールを送付する場合は、アンケートページを作成しておくのも手です。お礼メールにURLを添付し、アンケートへ誘導してウェビナーに対する意見を求めます。貴重なフィードバックをいただけることも多く、ウェビナー改善に役立てることができます。

直接的なフィードバック以外にも、滞在時間や離脱率などのデータを見ることで改善のきっかけを見つけられることもあります。

たとえば、1時間あるうちの最初の30分で離脱されることが多いのであれば、前半に自社製品の紹介やリアルタイムアンケートを実施するなど「見せ場」を持ってくる必要があるかもしれません。

ウェビナーの参加/不参加、アンケート結果、滞在時間や離脱ポイントなどのデータは、MA(マーケティングオートメーション)に蓄積させるのがベストです。リードのナーチャリング実績になりますし、その後の営業フォローにも活用できます。