こんにちは。クリエイティブ局マネージャーの坂根です。
昨年の「INBOUND2015」に引き続き、2016年11月8日〜12日、アメリカ・ボストンで開催された「INBOUND 2016」に行ってきました。
「INBOUND 2016」は、ボストンに拠点を置くHubSpotが毎年主催する大規模なイベント。各業界で活躍しているマーケターおよびセールス、クリエイターのプロフェショナルを迎え、Webビジネスに必要なインスピレーション、教育、ネットワーキングを提供することを目的にしています。
今年は、女優のアナ・ケンドリック、俳優のアレック・ボールドウィン、テニスプレイヤーのセレナ・ウィリアムズまで、各業界で活躍する著名人のセッションや、300を超えるマーケティング・セールス・クリエイティブの教育セッション・レッスンを受けられる、非常に内容の濃いイベントでした。
年々大きくなっているこのイベント、今年はなんと各国から1万9千人以上が参加しているとのことで、会場は熱気の渦に巻かれていました。
1社が単独で主催するビジネスイベントとしては、日本ではあまり存在しない規模なのではないでしょうか。
ではどのように過ごしていたのかと言いますと、朝8時から夜11時まで会場(Boston Convention & Exhibition Center)に缶づめでみっちり勉強です。
4日間のスケジュールはこんな感じでした(私の場合)。
■8日
17:00
ボストン到着
18:15
Gary Vaynerchuk(セッション)
19:00〜
INBOUND Welcome Party(ネットワーキング)
20:30〜
International Partner Reception(ネットワーキング)
■9日
8:30〜
Ta-Nehisi Coates(セッション)
10:30〜
23½ Tips to Master Lead Scoring: The Hows, The Whos and The Whatchamacallits(セッション)
11:45〜
How To Figure Out What Really Makes Your Website Work For You(セッション)
13:00〜
The Marketer's Checklist for Going Global(セッション)
14:15〜
Brian Halligan & Dharmesh Shah(セッション)
16:15〜
HubSpot Product Launch(セッション)
19:00〜
VIP Partner Reception(ネットワーキング)
■10日
9:15〜
How Professional Athletes Train Their Brains For Peak Performance & How Sales Pros Can Too(セッション)
10:30〜
Today is a Prototype for Tomorrow: Design Thinking, Silicon Valley’s Secret Weapon(セッション)
11:45〜
The Retention Funnel: How to Retain, Upsell, & Delight Your Customers(セッション)
13:00〜
Actionable Tips To Increase Lead Gen By 100% In 12 Months(セッション)
14:15〜
Anna Kendrick(セッション)
15:30〜
Serena Williams(セッション)
16:45〜
Content Marketing 2020: Hyper Personalization of Content(セッション)
19:00〜
INBOUND Rocks(ネットワーキング)
20:30〜
INBOUND Rocks After Party(ネットワーキング)
■12日
8:30〜
Alec Baldwin(セッション)
10:30〜
DESIGN IS NOT ART(セッション)
11:45〜
Growth Driven Design Agency Panel(セッション)
1:00〜
Future of Branding(セッション)
2:15〜
Reshma Saujani(セッション)
14:50〜
パートナー動画撮影
INBOUND 2016終了
1日最大7つのセッション、そして2つのネットワーキング。
私も時差ボケの体にムチ打って行動していましたが、世界中から集まってくる参加者の体力・エネルギーがとにかくすごい!
朝から夜まで勉強し、夜中までネットワーキングが続く人も…。
いつ寝てるんでしょう?
毎朝大量のコーヒーが無料で配られてるのは、そのためでしょうね。
さて、数あるセッションの中でも最も注目を浴びていたのは、やはり2人の創業者、CEOのブライアン・ハリガンとCTOのダーメッシュ・シャアのセッションでした。
ブライアンは、年々類似のサービスを供給する企業が増える中、需要は一定を辿っている状態と説明。競争が激化し、ビジネスが難しくなってきている中、INBOUNDメソドロジーで生き残り + 成長していくには、以下の視点がとても重要と強調しました。
■マーケティング
1.テキストからビデオへ移行
Webサイトのコンテンツは、テキストからビデオに移行。特に短いビデオやライブビデオはユーザーの学習に有効。
2.ソーシャルメディア内に存在
ソーシャルメディアの中に多くのユーザーがいる状態で、使用するフェーズから存在するフェーズに移行。
3.コンテンツの加速
Webサイトの検索サービスは、見つける検索から答えを出す検索に移行。 検索連動型広告はますます重要な要素になり、Pay Per Implession(露出・認知)やPay Per Click(クリック誘導)を経てPay Per Lead(リード獲得)に移行。
4.購入・体験プロセスの自動化
ユーザーの期待値が上がり、Webサイトを通して、個別化・自動化・セルフサービス化・エンドトゥーエンド化の体験を追求。
■セールス
1.Eメールの縮小
見込客、顧客へのEメールは送信数を減らし、コンテクスト(文脈)を重視することで成果につなげる。
2.勧誘電話・テレアポは排除
勧誘電話・テレアポは、今や完全に機能していない状態。それらは排除し、Webサイトでのリアルタイムメッセージなどの活用に移行すべき。
3.トライアルの活用
見込客、顧客は、購入前に価値を求める傾向にあるため、トライアルは価値を感じてもらうために有効。見込客、顧客にもっと試してもらうこと、常に助けることが必要。
一方CTOのダーメッシュ・シャアは、インターネットテクノロジーの変化および今後の進化について説明。
インターネットテクノロジーの変化を受け入れ、今後進化していくことで、不可能が可能になる事を強調しました。
■検索エンジン
検索エンジンの登場で、リンクグラフ(google)、ソーシャルグラフ(facebook)、プロダクトグラフ(amazon)、エンゲージメントグラフ(google)などといった検索テクノロジーが進化したが、根底にある概念が、H.E.O(Human Enjoyment Optimazation)。
人を喜ばせるための最適化は、今後テクノロジーが進化しても変化しない。
■スマホ/モバイル
タッチ、スワイプの技術が当たり前の行動になり、Appsのダウンロードを競争する時代に変化。スマホでのメッセージに大半の時間を使うので、facebookメッセンジャーなどのメッセージAppsの需要が多い。
さらに、プライベートだけではなく、仕事でメッセージを使うことも多くなってきている。
■チャットボット
メッセージアプリを活用することで、チャットボットは人よりも対応時間を短くできる。
例えば、質問を入力しすぐに答えを返す事や、変わってお知らせやおすすめをしてくれることで、ユーザーとの強い信頼、つながりを持つことが可能になる。
GROWTHBOT
HubSpotが提供するマーケティングとセールス向けのβ版のチャットボット「GROWTHBOT」がSlackとFacebookで使用が可能。
今後は、人工知能(AI)、特に機械学習によって見込客と営業をつなぐようなマッチメーカーとして、「セルフドライビングのマーケティングオートメーション」の可能性も考えられる。
今回多く耳にしたのは、「変化」と言う言葉です。
ユーザーの行動や体験、インターネットテクノロジーは日々変化しています。
予期していた変化、予期していなかった変化。
変化を受け入れること=自分の今の仕事が増えてしまう、と考えて現状維持で頑なに身を守っている人も多いのではないでしょうか。
それでは、ユーザーはサービスに満足しないですし、自分自身の価値にもなりません。
我々の価値、Web業界の価値を上げるには、常に変化を受け入れアウトプットしていくことが必須です。
変化を受け入れることで、広がる未来の可能性に気づくことができた、それが私の「INBOUND 2016」でした。
その他、受講したセッションの内容については、随時まとめて掲載していきますので、ご期待ください。
Web業界でのマーケティング、セールス、クリエイティブは、もっと広い視点を持って仕事をするべきだと改めて感じさせられました。最新の情報に乗り遅れないためには、国内だけを見るのではなく、海外の流れを常に意識していくことが必要です!
ちなみに来年の「INBOUND 2017」は、2017年9月25日〜28日と発表がありました。
http://www.inbound.com/
みなさんもぜひ参加してみてください!
私もまた参加したいと思っています!