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2022年12月にHubSpotとSansan連携ツールがアップデート。今までの連携ツールとどこが変わったのか。

HubSpotに名刺情報を取り込むために、HubSpotから提供されているSansan連携ツールを使っている方も多いのではないでしょうか。
2022年12月にSansan連携ツールがOperations Hubのデータ同期の仕組みを使うツールとしてアップデートされました。
このHubSpotSansan連携ツール、便利ではあるものの、実際運用してみると「あれ、想定の挙動と違う」と思った部分がいくつかあったのですが、今回のアップデートでかなり改善されました。

目次
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この記事ではSansan連携ツールの旧バージョンと比べて、新バージョンの改善点と旧バージョン→新バージョンへの移行方法をあわせてご紹介します。

sansan_hubspot-integration参照画像:HubSpot

Sansan連携ツール(旧バージョン)の運用時ネックとなった部分

Sansan連携ツールは、SansanのAPIキーを用意したうえで、HubSpotの「設定」>「連携されたアプリ」からSansanを選択して連携することができます。
非常に簡単に連携できるのですが、以前の連携ツール(旧バージョン)を実際運用してみるといくつか課題が出てきました。

課題①:Sansanの名刺情報の部署名が連携できない

旧バージョンのSansan連携ツールでは連携できる項目が以下でした。
・姓
・名
・メールアドレス
・会社名
・役職
・電話番号
・Sansanタグ
・ウェブサイトURL
・電話番号
・携帯電話
・郵便番号
・都道府県
・市区町村
・町域・番地
・名刺の所有者

上記以外の項目は同期できませんでした。特にマーケティングデータとして使いたい「部署名」がHubSpotに同期できないのがかなりネックで、もしSansanにある上記以外のデータが欲しい場合は別途zapierなどの連携ツールを使って更新する必要がありました。

課題②:接続しただけではHubSpot連携した後の情報しか同期されない。

旧バージョンのSansan連携ツールは「Sansanの名刺情報が追加・更新されたときのみデータが同期する」という仕様でした。
つまり「HubSpot連携した後のSansanのデータしか同期されない」という挙動になっており、データ連携しただけではHubSpot連携前のSansanのデータがHubSpotに入りませんでした。
これを解決するため連携前のSansanの名刺情報をCSVでHubSpotにインポートする作業が必要でした。Sansanの顧客情報は名刺情報がユニークデータとして取り扱われており、名寄せをしてインポートすることになるため、データクリーニングやインポートデータの確認にかなりの作業が発生しました。

課題③:同期のトリガーがSansanからだけのため、Sansanの名刺情報のタグがHubSpotのコンタクトに付与されないパターンがある。

SansanのデータをHubSpotにインポートした際、検証して発覚したのですが、Sansan側でSansanタグを付与した顧客数とSansanタグが付与されたHubSpotのコンタクト数に大きな乖離がありました。調査してみると、以下の要因が分かりました。

  • HubSpotのコンタクトにSansanの名刺情報をCSVでインポートした場合、Sansanでは更新するトリガの条件がないため、Sansanタグがついたコンタクトの情報が更新されない
  • Sansanタグは編集不可の項目となっており、HubSpotのコンタクトにSansanタグを付与してインポートすることができない

このことからインポートしたSansanの名刺情報に更新用のSansanタグを付与するなどして、更新する、といった対応をせざるを得ませんでした。

新バージョンの連携ツールで改善した部分

このように、連携したものの運用時課題も多かったのですが、新バージョンになり以下のことができるようになりました。

①カスタムプロパティの連携が可能になった。

これにより、部署名などHubSpotでも使いたかった項目を連携できるようになりました。

②HubSpot側からSansanのデータを再同期できるようになった。

これにより、CSVなどオフラインからインポートした際も、Sansanに顧客情報がある場合、ワンクリックでSansanタグなどを同期できるようになりました。

③特定の顧客情報のみのデータ同期も可能になった。

HubSpotの特定のプロパティのみ同期する、ということも可能になりました。これにより、会社全体でSansanを使っているが、特定の部署の顧客情報だけHubSpotでマーケティングを行いたい場合など、必要なデータだけ同期をかけることが可能になりました。

特に①②は旧バージョン連携時に苦労した部分が解決されており、かなり使いやすい連携ツールとなりました。

新バージョン連携ツールでの課題

一方新バージョン連携ツールで、これは改善して欲しい、という部分もあります。

課題①:Sansanタグ、部署名の連携はOperations Hub Starter以上が必要

「部署名」はカスタムプロパティの扱いのため、連携するにはOperations Hub Starter以上を契約する必要があります。また旧バージョンの連携ツールではデフォルトで連携可能だった「Sansanタグ」が、カスタムプロパティ扱いになっています。つまりSansanからSansanタグを元にHubSpotでコンタクトをリスト化する、といったことをする場合はOperations Hubの有料エディションを導入しないと実装できません。

課題②:Sansanで複数の同一人物の顧客情報が複数ある場合、想定していたSansanタグがHubSpotに付与されない場合がある

Sansanでは名刺情報は名刺ごとに別の顧客情報として記録されています。
一方、HubSpotはデフォルトでメールアドレスをキーに、1つの顧客情報としてコンタクトに格納されます。メールアドレスがない名刺情報はデフォルトでは同期されません。
例えば以下のような同一人物の名刺がSansan内に入っていた場合、HubSpotでは名刺③のみ同期します。

名刺 氏名 会社名 部署名 Eメール Sansanタグ
名刺① Aさん ○○株式会社 第一営業部 なし 重要顧客
名刺② Aさん ○○株式会社 第二営業部 なし 重要顧客
名刺③ Aさん ○○株式会社 営業企画部 aa@exaple.com なし

この場合、名刺③にはSansanタグが付与されていません。そのためHubSpotのコンタクトの項目に「重要顧客」が付与されない、というパターンが発生します。
これについては、以前にもSansanに同一人物が登録されていた場合はSansanタグを同じように設定する、といったルールが必要になります。
このあたりがツールとして改善されると無理なく連携ができると思っています。

Sansan連携ツール新バージョンへの移行方法

現在旧バージョンの連携ツールをインストールしている場合、新バージョンの連携ツールと併せて設定することができます。
2つ連携させたうえで挙動を確認し、旧バージョンをアンインストールするといった手順で進めます。

1. 新バージョンの連携をインストールする

HubSpotのマーケットプレイスにて「Sansan連携(HubSpotが開発)」を選択し、右上の[アプリをインストール]をクリックし、手順に従いアプリをインストールします。
※アプリを接続するには、Sansan APIキーが必要です。連携手順の詳細は、HubSpotのナレッジベースをご覧ください。

2. 新しい連携をテストする

新しい連携をインストールしても、同期は自動的に開始されません。同期を有効化する前に、新たな機能を確かめ、テストしましょう。新しい連携をインストールした後も、旧バージョンをアンインストールするまでは、既存の連携をそのままご利用いただけます。

3. 旧バージョンの連携をアンインストールする

HubSpotの[設定]画面から[連携]>[接続されたアプリ]へと進み、旧バージョンのSansan連携をクリックします。
確実に古い方のSansan連携を選択していることを確認の上、ページ右上にある[アクション] > [アンインストール]をクリックし、アプリをアンインストールします。
アンインストール後も、旧バージョンのSansan連携からHubSpotのCRMへ既に同期されているデータはそのまま影響なくCRMに残りますのでご安心ください。また、新規のデータは全て新バージョンのSansan連携によって同期されます。


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まとめ

今回はHubSpotのSansan連携ツールについて説明致しました。
旧バージョンのSansan連携ツールは、2023年3月1日をもって廃止予定です。以降、旧バージョンは機能しなくなり、HubSpotのアプリマーケットプレイスからも削除されるとのことことです。現在インストールしている方はナレッジベースを参考に移行を進めてください。