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リードスコアリングを始める前に!押さえておきたいリードスコアリングの基本知識

作成者: 栗田 一輝|2018年07月18日

BtoBビジネスにおいて、見込み客(リード)の購買検討状況は刻一刻と変化しています。
集めたリードを育成し、購買意欲を高めて営業に渡すマーケティング担当者と、受け取ったリードにアプローチをかけて商談を成立させる営業担当者。両者の連携を円滑にし、円満な関係を築くために重要なのがこのリードスコアリングです。

リードの購買意向度を「見える化」するリードスコアリング機能は、企業がマーケティングオートメーションを導入する大きな理由のひとつでもあります。

リードスコアリングを正しく設定することで、担当者の無駄な仕事は減り、今すぐ注力しなくてはならないことに集中できるでしょう。
今回はそんなリードスコアリングを理解し、取り組んでいくための基本をお届けします。

リードスコアリングとは

リードスコアリングとは、リードの購買意向度を点数にすること(リード+スコアリング)です。

スコアリングするべき項目としては、以下の3つが挙げられます。

  1. 外面的情報:リードの属性(所属企業や部署、役職など)
  2. 内面的情報:リードの感情(興味、課題、不満など)
  3. 行動情報:リードの行動(サイト訪問、資料ダウンロード、メルマガ購読など)

上記の3つを軸に見込み客に点数を与えていきます。

リードスコアリングの目的

有効なリード情報はマーケティング戦略を立てる上で欠かせない材料であり、企業の大きな資産です。リード情報を活用できずただ持っているだけ、いわば塩漬けにしてしまっている企業も実際のところ多いようですが、これではあまりにもったいないことです。

見込み客情報は何よりも新鮮さが重要です。必要なタイミングで適切なアプローチをしないと、いつのまにか興味関心・購買意欲が薄れていってしまいます。このために必要なのがリードスコアリングなのです。それではリードスコアリングの目的をまとめてみましょう。

①営業活動の効率アップ

リードスコアリングを行うことで、スコアが高く購買意欲が高いリードをホットリードとして抽出して、すみやかに営業担当者によるアプローチをかけることができます。

営業が足を使って手当たり次第にアプローチするよりも、購買意欲の高い少数の顧客にアプローチする方が効率的に受注につながることは明らかです。適切なリードスコアリングでリードを振り分けることで、営業にかかる負担・手間を軽減できるのです。

②マーケティングとセールスの連携強化

今すぐアプローチすべきホットリードが明確になったら、営業担当者はスコアが高いリードに的を絞ってアプローチしていき、確実に成約する。

いまだスコアが一定に満たないリードに対しては、マーケティング担当者がメルマガやセミナーなどのリードナーチャリング施策を行い、徐々にスコアを高めてホットリードへと育て上げ、営業担当者へリードを渡す。

このように、リードに対しての働きかけがセールスとマーケティングで重複することなく、最適な活動をすることで、部門間の連携強化と企業としての効率的な活動に繋がります。

③リード管理のためのリストを最大活用

リードスコアリングはホットリードの抽出だけでなく、「コールドリード」と呼ばれる、低スコアのリードを洗い出せるという点も非常に重要です。

コールドリードは、今の時点では営業担当者による直接のアプローチが逆効果になることもありますが、マーケティング担当による間接的かつ継続的なアプローチ次第で、将来的に顧客になる可能性も大いにありえます。切り捨ててしまうのではなく、しっかり時間をかけてナーチャリングしていきましょう。

いずれにせよ、スコアリングによって現在のリードのステージを確認しておくことが重要です。ちなみにマーケティング担当者からの適切なリードナーチャリングを施さないと、その80%は2年以内に競合他社から製品・サービスを購入してしまうとも言われています。しかしこれは、裏を返すとしっかりフォローしておけば2年以内に80%以上のリードが商談につながる可能性があるということでもあります。

後で後悔しないためにも、見込み顧客の情報を最大限に活用できるようにしましょう。

スコアリングの基本3つ

1.外面的情報
リードと直接対話せずとも判別できる、リードの一般的な属性情報です。

企業 個人
・業種
・従業員規模
・売上規模
・地域 等
・部署
・職種
・役職 等

スコアリングの方法としては、自社のターゲットとなる地域や、理想の顧客像として作成したペルソナに近いことや、自社製品やサービスを購買しやすい業種や部署などには高得点を付与するようにします。

2.内面的情報
リードの検討フェーズや課題、嗜好や現在導入しているサービスへの不満など、リードとのコミュニケーションから判別できる情報です。

内面的情報によるスコアリングは、電話問い合わせや、セミナーでのやり取りなど、実際にリードとやりとりした内容から点数付けすることが主な方法となります。リードとのコミュニケーションが不可欠であり、スコアリングする項目の設定の難易度が高いのが一般的です。

3.行動情報
リードがセミナーに参加した、サイトを閲覧した、資料をダウンロードしたなど、
自社の提供している情報や製品、サービスにどれだけ関心があるのかを、リードの行動から判断できる情報です。

行動ベースで評価できるため、例えば、「自社セミナー参加で20点」「資料をダウンロードで10点」「フォーム問い合わせで15点」といったようにスコアリングは比較的簡単に行うことができます。
スコアが同じリードが多数発生する場合には、直近で動きの活発なリードに高スコアを付与することでリードを絞り込んだりします。

この3種類の情報をスコアに置き換えてリード毎に評価をしていきます。

複雑になりがちなリードの評価をどうすべきか?

それでは上記3種類のスコアリング情報をどう評価していけばいいでしょうか?厳密かつ徹底的にリードの評価をしていこうとすると大変複雑になってしまいます。

1.の外面的情報は名刺交換やフォーム入力時(リード化した時点)にある程度評価可能です。例えば企業のウェブ担当者をターゲットにしている場合、ウェブ担当者の人には10点をつけ、広報担当の人には5点とするなど機械的に判断できます。

反面、2.の内面的情報は把握するのが非常に難しいと言われています。なぜならコミュニケーションがなければ把握するのが難しいからです。
さらには検討フェーズなどは一度把握したところで時間が経てば変わってしまう可能性も高い変動的な情報です。

3.の行動情報は外面的情報の次に把握しやすい情報になります。「セミナー参加」などオフラインでの接点はもちろん、MAツールを導入することで「資料ダウンロード」のようなオンラインでの接点の情報も事実として記録されていくからです。ただし、内面的情報は対象のリードから直接聞くリアルな声であることに対して、行動情報は、あくまでも行動履歴を元に購買意欲の高まりを私たち側で「推測する」にとどまることに注意が必要です。

そこで、BtoBのマーケティングにおけるリードスコアリングの現実的な運用方法としては、外面的情報と行動情報を元にスコアリングの基本設計をすること。内面的情報はそうした予測のいわば答え合わせ、またそれを元にスコアリングの点数設計を見直していくというくらいに考えるのが良さそうです。

インバウンドマーケティング導入のためのステップはこちらの記事でも詳しく紹介しております。合わせてご覧ください。
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