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【インバウンドマーケティング】オファーって何?効率的に顧客リストを増やす方法

作成者: 森 としこ|2018年04月17日

インバウンドマーケティングにおいて、「オファー」は見込み客を獲得するための重要な入り口です。

一般的にオファー(offer)は「提示・申し出」を示す言葉ですが、インバウンドマーケティングにおけるオファーとは、サイトの訪問者にメールアドレスや名前などの簡単なプロフィールを入力してもらうことと引き換えに【無料で提供するコンテンツ】を指します。

オファーがないサイトでは、サイト訪問者は永遠に「見知らぬ誰か」のままであり、こちらからアクションを取ることはできません。ネット広告で集客しているようなサイトでオファーがないということは、実にもったいないと言えるでしょう。

今回はBtoBマーケティングにおいて大変重要な機能を持つこのオファーについて、初めての方にも分かりやすく説明していきたいと思います。

また、インバウンドマーケティング導入のためのステップについてこちらの記事でも詳しく紹介しております。併せてご覧ください。インバウンドマーケティング成功の4ステップ~見込み客を集めて顧客に育てる

「オファー」とは何か?

そもそもオファーとは、サイトの訪問者が(わざわざ)自分の情報を提供してダウンロードするコンテンツ(情報)などのことを指します。

したがってWebサイト訪問者にとって、自身の情報を入力してでも手にする価値がある、またそう思わせるものでなければいけません。

つまりサイト訪問者の課題解決に必要で、「どうしても欲しい」と思わせることがオファーの条件なのです。

その観点からいくと、一般的にオファーだと思っているものの多くは、全く違うものであったりします。

■「オファー」ではないもの

ここでオファーをより具体的に理解するために、「(企業サイトには必ずあるが)オファーとは言えないもの」を以下に挙げてみることにします。

・お問い合わせ
お問い合わせは、サイト訪問者から何らかのアクションを受けとるのに企業姿勢として必要不可欠なものですが、「見込み客の獲得」という目的に対しては有効ではありません。

・会社案内(広報資料PDFなど)
これらは会社が誰に対しても公開すべき一般的な情報であり、潜在顧客が抱える問題に働きかけ、解決できうるものではありません。

・自社製品の詳細資料(製品パンフレットなど)
製品に関する具体的な情報を探している人は、購買決定段階にすでに近い位置にいるとも考えられます。したがってこの種のコンテンツは、あらかじめサイト訪問者が自由にかつスムーズにアクセスできるように配慮すべきです。オファーはユーザビリティを損なうものであってはなりません。

■代表的な「オファー」例

それではサイト訪問者から見込み客、顧客へと転換させるために効果的なオファーとは?
以下のようなものが考えられます。

・eBook
・教育的なガイド
・オンラインセミナー
・スライドショー(SlideShare)
・お客様導入事例
・市場リサーチレポート
・テンプレート
・無料試用版
・無料製品デモ
・クーポン

これらはいずれもマーケティングオファーとして優れた手法例ですが、どんな内容でもいいわけではなく、効果を最大化するためには下記3つの特性を備えている必要があります。

オファーの質を向上させる3つの要素

(1)ターゲット層にとって価値があること

一般的に、人は自分の連絡先を気軽に他人には教えたくないものです。連絡先を入力させるフォーム自体に、訪問者はしばしば抵抗感を感じるのです。そこでオファーに必要不可欠なのが、「わざわざフォームに記入する価値がある」と思わせる説得力です。

そしてその価値とは「このオファーが訪問者の課題を解決できる情報、ノウハウである」という点に尽きるのです。

ちなみに当社のオファーである「インバウンドマーケティング入門」は、インバウンドマーケティングを知りたいという企業担当者向けに「まず最初に読んでいただく資料」としてお作りしました。↓

(2)教育・共感という観点を大事にしていること(自社の売り込みではない)

サイト訪問者の理解を促す教育的なeBookは、自社の製品・サービスがどんなに素晴らしいかではなく、自社の製品・サービスに関係する考え方やコンセプトについて説明するべきです。

(3)狙ったターゲット層が望むものを、適切なタイミングで届けること

皆さんのWebサイトにはペルソナが設定されていますか?
ペルソナとは、実際の顧客データに基づくデモグラフィック属性や行動面での考察から導き出された理想の顧客像を指します。

優れたオファーは、このペルソナの具体的な関心やニーズおよびその時の状況を重視しています。あるタイプの顧客像が望むものを、適切な(彼らに望まれる)タイミングで提供する。オファーにはこうした特性が備わっていないといけません。

リンゴが欲しい人にバナナをあげても特に感謝されませんし、その人が満腹の時にリンゴを提供しても丁重にお断りされるだけでしょう。

ターゲットを見極めてベストなタイミングでオファーを提供することは、見込み客を獲得するときだけでなく顧客へ移行させる際にも一貫して大変重要です。

どうやってオファーを活用すればいいのか?8つのノウハウ

いよいよ最後のテーマ、オファー活用のベストプラクティスについて学んでいきましょう。
作ったオファーは単体では機能しません。下記のような流れに沿って正しく運用していくことが重要です。

(1)ターゲットを狙い打つオファーをできるだけたくさん作る

「ターゲットを分析しよう」「適切なオファーをペルソナごとに設定しよう」ということは、「さまざまなオファーが必要である」ということに他なりません。

もちろんオファーをどんどん作って増やしていくのは重労働です。
しかし、そうしたオファーの量こそが「驚くほど良い結果」を生み出します。

とりあえずExcelなどで、所持しているオファーの一覧リストを作成してみましょう。
次に、それらのオファーがカバーしていない不足部分を見つけましょう。
Webサイト訪問者が高く評価してくれそうで、しかし現段階では未作成のテーマは何ですか?少しずつ不足分を補っていきましょう。

(2)フォーム入力促進のためにオファーがあることを忘れない

見込み客獲得のためにはフォーム入力促進こそが重要です。
フォームに入力してくれさえすれば、匿名の訪問者は特定の人物となり、マーケティング活動の対象になるからです。オファーは全て、訪問者にフォームを入力させるためのものであると認識しましょう。

(3)Calls-to-action(CTA)を作成し、適切に配置する

オファーごとにCTAを作成し、それをwebサイトの関係するページになるべく多く並べていきましょう。

魅力的なCTAデザインは、フォームが入ったランディングページにより多くの訪問者を誘導するだけでなく、別のCTAボタンと比較してどちらがよりクリック率を叩き出すかをテストすることもできます。

(4)オファーの一部をブログに掲載する

オファーダウンロードを促進するために、そのオファーに関する具体的なコンテンツ(ブログ)を作成しましょう。

たとえば「業界関係者が選んだ○○ランキング20」というガイド(オファー)を作ったとしたら、そこで言及したトップ5の製品についてブログ記事を書いてみるのです。
「ガイド(オファー)をダウンロードすれば、もっと多くのことを学べますよ」と読者に語りかけることで、ダウンロード数の向上に結びつけましょう。
オファーを抜粋するだけならブログ記事も比較的簡単に用意できます。オファーを作成すれば、それへと導くブログ記事も作成できる。まさに一石二鳥ですね。

(5)ソーシャルメディアでオファーを告知する

オファーはwebサイト内だけに留める必要はありません。
TwitterやFacebook、Google+、Linkedlnなどのソーシャルメディアでオファーがダウンロードできるランディングページへのリンクをシェアし、どんなに価値あるものかを記事やツイートで告知していきましょう。

(6)メールマーケティングでオファーを活用する

ありふれた手段に思われるメールマーケティングでも、「個々人のグループやペルソナに合わせた専用のメール」を送ることでオファーダウンロードを促進できます。

あらゆるセールスサイクルに存在する全てのペルソナに有効そうな(つまりとても一般的な)オファーであれば「アドレス帳全員に一括送信」してもいいですが、よりターゲットを絞ったオファーであれば、送り先を選別し、そのオファーが魅力的だと映る人だけに送信する必要があります。

またここで大切なのは「1本のメールではオファーをひとつに絞ること」。メールの文章ではその価値を伝えることに専念しましょう。

(7)セールスプロセスの各段階に対応するオファーを関連付ける

顧客獲得キャンペーンで使用するオファーと、顧客になりそうな人向けのオファーを関連付けましょう。
そうすることで、有望な顧客を獲得する一助になりますし、セールスサイクルを短縮化することも可能になります。
有望な見込み客に多くの情報を与えることで、彼らが営業担当者と話す段階よりもさらに早い時点で購買決定に近づく、ということがあり得るかもしれません。

(8)分析ソフトでパフォーマンスを測定する

オファーの効果を分析しましょう。 どの種類のオファーが見込み客獲得や顧客獲得に効果的なのかを視覚化することがオファー改善の一歩ですし、これを行う人は一段上のマーケティング担当者になれるはずです。

「うちの見込み客はなぜオンラインセミナーよりeBookを好むのか?」
「訪問者の関心が向けられているのは既存のコンテンツだけだろうか?」

分析した結果を、今より効果的なオファーを作る材料にしましょう。