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SNSと動画コンテンツの相性について

作成者: 蘆田 優|2018年11月27日

Facebook、Instagram、Twitter、LINEなどをはじめとしたSNSは、今ではすっかり生活の一部となりました。
また高スペックなスマートフォンの普及により、モバイルデバイスでの動画視聴環境の水準が高まりました。これらの背景から動画を使ったマーケティングも普及し始めています。

今回は、SNS上で動画コンテンツを配信するメリットを解説します。

SNSで動画コンテンツを多く見かけるようになった理由

コミュニケーション手段として日常的に使われているSNSですが、トレンドには移り変わりがあります。
以前は文字だけの情報発信がメインでしたが、現在は各SNSのストーリー機能の盛り上がりをみてもわかるように、動画コンテンツを発信することが多くなっています。
なぜ動画がSNS上で、日常的に発信されるコンテンツとなったのでしょうか?

主に次の理由が考えられます。

  • スマートフォン所持率の普及
    2016年の調査によると、モバイル端末全体の所持率は、全体の73.0%となっています。その内、スマートフォンの所持率は、71.8%とほとんどの人が持っている状況です。
    (出典:総務省
  • SNSアプリの普及
    SNSアプリで、もっとも国内の月間アクティブユーザー数が多いのがLINEです。
    7,800万人に及び、国民の7割近くが使用していることになります。(出典:InstaLab
  • 通信速度の向上
    3Gから4Gと通信回線の高速化が進むことによって、サイズの大きい動画もストレスなく再生が可能になりました。

  • 動画視聴の習慣化
    動画視聴メディアの増加により、スマートフォンで動画を視聴する習慣が、ユーザーに根付いてきました。

  • SNSの動画機能が充実
    SNSの動画機能を充実化が、スマートフォンを使った動画視聴を加速させています。

以上の変化は、調査結果からも裏付けられています。例えばFacebookでの動画視聴時間のトータルが、2016年1月に1億時間を突破されたと公式で発表がありました。(出典:Facebook

企業がSNSに動画コンテンツを利用する目的は、次のようなことがあります。

  • 文字に比べてシェアされやすく、拡散性も期待できる。
  • 動画は情報量が多く、ユーザーの購買行動に強い影響を与える。

動画広告は、クリエイティブ制作の難易度は高いものの、画像とテキストだけで構成されたPCのバナー広告よりも、約4倍のクリック率を記録した事例もあります。

業種によって動画広告の優位性は一概には言えませんが、動画広告と相性のよい業種は以下のようなものがあります。

1位:趣味系・興味系(CTR:0.82%)
2位:ショッピング系(CTR:0.67%)
3位:BtoBビジネス系(CTR:0.62%)
(Digital Advertising Benchmark Report調べ)

これらの業種にあてはまらなくとも、動画コンテンツをマーケティング施策のひとつとして実施することが増加した結果、日常的にSNSで動画広告を見かけるようになりました

SNS x 動画の5つのメリット

SNSで動画コンテンツを積極的に活用するメリットとして、次の5つがあります。

  1. ユーザーの興味関心を惹き拡散性が高まる
  2. 自然に注目してもらえるフィード広告
  3. 動画広告のターゲティング精度が高い
  4. インフルエンサーマーケティング
  5. ライブ配信動画でコストを抑え、親近感を獲得

1.ユーザーの興味関心を惹く動画で拡散性が高まる

多くのSNSは、ユーザーが投稿をシェアできる機能があります。
投稿をシェアできる代表的なSNSとして次の2つがあります。

  • Twitter
    リツイート(シェア)することで、フォローしているユーザーに届きます。
    匿名性が高いため、シェアすることへの抵抗も少なく、最も拡散力があります。

  • Facebook
    シェアする機能はありますが、拡散する範囲が友達の友達までとTwitterほどの拡散力はありません。

特にシェアされやすいと言われるのが、笑えたり、感動したり、驚いたりといった、ユーザーの感情を動かすものです。動画は、視覚や聴覚への表現力が強いコンテンツなため、ユーザーの感情に直接届きやすいです。

2.ユーザーに自然に注目してもらえるSNSの動画広告

動画広告の出稿先は、SNSかYouTubeが多いかと思います。この2つの出向先の広告は「インストリーム型」と「インフィード型」の2種類に分かれます。

  • YouTubeの場合
    YouTubeで動画を見るときに、動画本編に入る前に流れる広告を「インストリーム型広告」といいます。YouTubeでの動画広告は、インストリーム型の広告がほとんどです。インストリーム型の広告は、印象が強い為、認知してもらうにはよい一方、早く本編を閲覧したいユーザーにはノイズとなることが多いため、最後まで見てもらうことが難しいといった部分もあります。

  • SNSの場合
    SNSでは、フィードの動画は自動再生されます。この広告を「インフィード広告」といいます。ユーザーは、何らかの情報を求めてSNSのフィードを眺めていることが多いため、広告という意識を持たず、動画を閲覧する可能性が高いです。

実際に、次のような結果が出ています。
Twitterの調査によると、インフィード広告は「広告が自分の興味関心に関連性があった」「押し付けがましくない」と答えた人の割合が高いです。
動画コンテンツの前に流れるインストリーム型広告よりも、インフィード広告は、ユーザーの目に自然と入るからです。
また、ユーザー属性と関連性の高い動画広告を流すことで、好意的に受け止められるということもあります。(出典:Twitter)


3.動画広告のターゲティング精度が高い

SNSの場合、ユーザーはアカウント開設時に自分の属性情報を登録します。
また、ユーザーの閲覧履歴、投稿内容、シェア、などから興味のあるジャンルを選定することができます。このことから、SNSではより詳細なターゲティングを設定できます。
中でも実名で登録するFacebookが、特にターゲティングの精度が高いと言われています。
拡散力はTwitterに劣るかもしれませんが、Facebook広告ではより届けたいユーザーに絞って動画を配信することができます。

4.インフルエンサーマーケティングができる

Twitter、InstagramといったSNSでは、多くのフォロワーを抱えるインフルエンサー(人気ユーザー)がいます。プロモーションやキャンペーンにインフルエンサーを起用し、彼らを通して商品の魅力を伝えることで、訴求力をより高めることも可能です。

例えば、株式会社サダマツでは、中国で人気の日本人俳優、古川雄輝さんとアンバサダー契約を結び、広告に起用しました。
古川雄輝さんは、中国で最大のSNSである微博(ウェイボー)でフォロワー152万人を持ち、彼がネックレスを身に着けた写真投稿は、万単位でシェアされ、コメントが付くそうです。
そこから中国語版ブランドサイトに誘導を図り、主力商品の売り上げが前年比70%増。海外売上高は前年比10倍になりました。中国に実店舗を持たない同社ブランドが、ユーザーにマッチしたインフルエンサー活用によって、中国人に向けた商品訴求が成功した事例です。
(出典: 経済産業省


5.ライブ配信動画でコストを抑え、親近感を獲得

近年のトレンドとしてはライブ配信があります。
ライブ配信することでのメリットは、主に次の3つがあります。

  • 動画を編集するコストがかからないので、一般的な動画より制作費が安価に抑えられます。
  • リアルタイム配信なので、嘘偽りのない本当の姿を伝えることができ、ユーザーから信頼を獲得できます。

  • 動画提供者からの一方通行ではない、双方向でコミュニケーションをとることができます。動画投稿や動画広告よりも高いエンゲージメントを期待できます。

実際Facebookでは、ライブ配信の方がフィードに表示されやすくなるようです。
イベントや試合の中継、新製品発表、セミナーやカスタマーサポートなど、様々な場面で活用されています。

例えば、BURBERRYでは、ファッションショーを2009年からライブ配信しています。
ファッションショーは、招待された人だけが入ることのできる空間とされていましたが、閉ざさたイメージのファッションショーをオープンにし、SNSで拡散しました。
それは結果的に、若い世代を中心にブランドイメージが向上し、BURBERRYの知名度を上げることに成功したのです。(出典:BURBERRY