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ブランディングを強化しろ!と言われたら~BtoBブランドの始め方~ | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年03月11日

「BtoBにおけるブランドって何だろう」「ブランドをどうビジネスに活用していくのか」とお悩みではありませんか。

BtoB企業のマーケティング担当者様または広報ご担当者様が「ブランディングでビジネスを成長させたい」となった時に悩む3つの視点を、本記事にてクリアにしていきます。

本記事は、2024年2月27日ウェビナーで配信した内容をブログ化しております。
動画でご視聴されたい方向けに、本ウェビナーのアーカイブ動画もご用意しておりますので、ぜひご視聴ください。

アーカイブ動画はこちら

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目次

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ブランドとは?

ブランドの定義

情報ソースによっていろんな定義がされています。
今回は、ブランドという言葉を以下のように整理させていただきます。

◾️顧客にとってのブランド:
企業商品やサービスに関連する識別可能な要素であって、いわゆるロゴや ブランドの名前、そしてブランドのタグライン、そしてブランドのパッケージ商品のパッケージなど多様な要素から構成される一連のイメージ

◾️企業にとってのブランド:
顧客お客様に対する約束であり、蓄積されていく資産

視点をどちらから向けるのかによって、見え方が変わりますが、
分かりづらければ「自社らしさの定義」と「お客様の頭の中にイメージしてもらうもの」と思っていただければ大丈夫です。

ブランドを構成する要素「ブランドアイデンティティ」と「ビジュアルアイデンティティ」

◾️ブランドアイデンティティ:
誰のためにどんな価値を提供するのかという、定義の言語化

◾️ビジュアルアイデンティティ:
ブランドを視覚化するときのルール

ブランディングの定義

ブランディングとは、市場環境や時代、消費者のニーズを踏まえながら、適切に伝わるような形で表現し、認知を獲得し、購買意欲を高めていただく。こうして購買のタイミングで選んでいただけるよう、促していくような活動のことをブランディングと定義します。

分かりづらかったら「自社らしさの発信や浸透を行う活動全般」だとご理解いただいて、一旦は次のお話に進んでいければと思います。

マーケティングとブランディングの視点の違い

よく、混同して使用されるキーワード「ブランディング」と「マーケティング」の違いを以下のように整理しました。

◾️マーケティング:
短期的に、今ニーズがある見込み顧客に対して、メリットを訴求して販売を促進し、売れる仕組みを作る活動

◾️ブランディング:
中長期的に、ニーズが表面化していない段階~ニーズが表面化した見込み顧客に対し、あなたたちに相談したいというようなイメージを獲得していくような活動

マーケティングとブランディングは、与える効果・狙う効果が異なりますが、混同して使われている場合が多いですので、ご注意ください。

ブランドイメージはどう創られるか

自社内では、自社のビジネス、カルチャー、ビジョンなどがブランドを形成していきます。
そしてブランドがさまざまなチャネルでの自社の活動に影響を与え、その結果ステークホルダーの頭の中でイメージができていきます。

自社内でもブランドのニュアンスや、自社ブランドの定義が理解をされていないと、ブランドにそぐわないニュアンスでの活動になってしまい、イメージが毀損されていく場合があります。
社内でのブランドの浸透も重要になるというところをご理解いただければ幸いです。

ブランドが購買に至るストーリー

例:マイホーム購入

BtoB購買よりもBtoCでの購買経験を思い出していただき、分かりやすくブランドと購買が繋がるイメージを直感的に持っていただければと思います。

◾️トリガー:何らかの環境の変化
◾️ブランドの役割:認知やカテゴリでのイメージ・信頼感の醸成

マイホームの購入検討前のフェーズでは、環境の変化によって、「そろそろマイホームを購入しようかな。」という話が家族の中で出てきます。活動としては、不動産ニュースサイトやSNS、YouTube、情報誌、広告などから、マイホームに関する情報を集めていきます。

マイホームの中でも、「注文住宅がいいよね」と比較検討のフェーズに進んだとします。
「注文住宅と言えばよくCMで見るA社」や「知り合いから聞いたB社」といった情報を得ながら徐々に選択肢を絞りながら、比較検討を進めていく形になると思います。

最終的に家族会議の結果、A社に決めようとなる時に、自分で集めた情報から「A社は自分に合うから任せたい。」と決定していくと思います。

ブランディングはこの購買に至るストーリーの中で、比較検討時に選択肢に上がるための「認知」と購買決定の「信頼」を獲得していきます。

BtoB企業の購買の中でも、同じような購買意思決定がなされています。

BtoB企業におけるブランディングの必要性

  1. 購買検討のための認知・文脈での想起獲得
  2. 意思決定時の信頼構築・意思決定の簡略化
  3. 選ばれる理由と付加価値

1.購買検討のための認知・文脈での想起獲得

WebやSNSが発達し、顧客自らで情報収集・比較検討ができるような時代になっています。
皆様にもあるサービスの導入にあたって、ある程度購買の選択肢を絞って問い合わせした経験があるのではないでしょうか。

お客様側で情報収集をして、ある程度の選択肢を絞った状態までリストアップが進んでいるので、その段階までにある程度の認知が必要であり、もっと言うとその文脈・カテゴリーでのイメージを獲得しておくことでブランドの影響度や貢献度が大きくなります。

生活者視点で例を挙げると、「喉が渇いた」「ちょっとスッキリしたい気分」「ハンバーガーと一緒に飲みたいけど、何飲もうかな」「子供がなんか飲みたいって言ってる」など様々な場面で、「○○といえば、あの炭酸飲料だよね」といったように思い出される場面が多いほど、ブランドが購買に直接繋がりやすくなります。

 2.意思決定時の信頼構築・意思決定の簡略化

BtoBの商談の場では、マネジメント層がいないことが一般的です。
営業担当者と情報収集の担当者が商談を進め、最終的な意思決定は顧客側の社内の会議で決まっていくという流れです。

しかし、マネジメント層もプロフェッショナルではないため、費用や機能や信頼性などを俯瞰して比較して購買の選択肢を絞り、購入を確定します。

この際にブランド認知があれば、「他の製品と比べても見劣りしないし、金額は少し高くてもここにお願いしようか」「○○といえばA社ってよく聞くし、ここにお願いしようか」といったような意思決定の簡略化の効果が存在します。

3.選ばれる理由と付加価値

ブランドへの好意度や信頼感は、市場の競争の影響を受けにくくし、自社の販売価格に
多少のプレミアム(付加価値)をつけることができるようになります。

生活者視点で例えましょう。
コーヒーチェーンのA社とB社をイメージしてください。
A社は駅前にある普通のコーヒーチェーン。
B社は駅前にはあるけれども、ちょっとおしゃれな街などに出店し、空間づくりや接客にこだわるコーヒーチェーン。

顧客側が、受けられる提供価値(商品や雰囲気、自己肯定感など)に対して、「やっぱりB社のフラペチーノを飲みたいよね。」とブランドへの好感や信頼が高まると、少し値段が高くても、少し駅から遠くても、足を伸ばしてくれる。これがブランドの選ばれる理由と付加価値になってきます。

ブランディングプロジェクトの実施項目・全体像

◾️ブランドアイデンティティ構築:
誰のためにどんな価値を提供するのかという、定義の言語化

◾️ビジュアルアイデンティティ構築:
ブランドを視覚化するときのルールを策定
コミュニケーション戦略策定:どこでどんな情報を発信すればブランド認知とイメージをお伝えできるのかを策定

ブランドアイデンティティとして、どういうお約束をするブランドなのか、お客様や社内の営業担当者にインタビューをしたり、ペルソナ・ジャーニーを作成して、ブランドがどういうストラクチャーであると定義するのかを、しっかりと定義する期間が2ヶ月ほどは必要になってくると思います。

ビジュアルアイデンティティでは、ブランドをどのようにビジュアル化すると伝わるかといった視点で、ブランドロゴやネーミング、キャッチコピー、写真のイメージを定義することで、齟齬なくお客様に伝えるためのルールを定義しています。

最後にコミュニケーションの戦略として、どこでどんな情報を発信すればブランド認知とイメージをお伝えできるのかを策定し、実行するといった流れになります。

BtoB企業におけるブランディングの難しさ

  1. 機能的価値にこだわってしまう
  2. 社内合意の壁
  3. ブランド予算と投資対効果の考え方

 1.機能的価値にこだわってしまう

テレビ市場で考えてみましょう。
過去カラーテレビがなかった時代は、テレビがより薄くなったり、 より綺麗に映ったり、より鮮明に見えることがプラスのメリットとして市場のニーズを開発していったという過去があります。

ところが、最近のテレビは、ある程度薄くて、小型で、機能も、あんまり変わらないよねというのが、皆さんも感覚として持たれている方も多いかと思います。

つまり、消費者からするとある程度のニーズは、もう満たされきっているという形になります。
そのため価格競争や付加価値のが叫ばれるようになり、顧客視点の重要性が高まっています。

自社視点でブランドを構築すると、「機能を良くしていけば選ばれる理由になるんだ」と考えがちですが、これは注意が必要です。ベテラン社員であればあるほど、頭ではわかっていても「自社の独自性」というキーワードに引っ張られて、機能的価値に重きをおきがちで、正しく顧客視点を持つことができないという壁があります。

我々のような第三者をブランディングプロジェクトにいれるポイントは、ここにあると考えています。

2.社内合意の壁

企業が大きくなればなるほど、社員数が大きくなればなるほど、社内合意が難しくなってきます。ブランドという言葉の抽象度や、目的と手段が入れ替わったブランド、ブランディングプロジェクトにならないためには以下のようなポイントに気を付ける必要があります。

  1. ブランドの目的を明確にする
  2. ブランド/ブランディングとは何をすることなのか、言葉の認識を合わせる
  3. 合意をとるべき人を可視化・共有する
  4. 重要人物は始めから巻き込む
  5. 重要事項はメンバーそろって話し合う

これまでなかった組織体制だから意思決定機関が明確ではなかったという理由で、ブランド定義やネーミング、ロゴなどの社内合意が進まない場合が多く存在します。
プロジェクト初期に合意を取るべき人を可視化し、チーム内で共有しておくことは非常に重要です。
また、重要なキーマンは初めから巻き込んでおくことと、重要事項の会議にはその方にもご参加いただいて、まとまった時間でディスカッションを進めていくような進め方がポイントになります。

マネジメント層は、ブランド活動を通して収益を上げたいと、短期的な視点で担当者に指示する場合が多く見られます。
ブランディングは、認知とイメージを想起してもらう活動であるため、成果が出るまでの期間が長く、かつお客様のニーズが、何らかのトリガーによって購買検討に進んできます。
そのため、今ニーズがある見込み顧客に対して販売を促進させるマーケティング活動とは違い、ブランディングは中長期の視点での投資が必要です。

考え方としては、企業のビジョンやミッションに向けた取り組みとして、広報/PRの予算として考えていただくことが最初の一歩目かと思います。