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「ナーチャリング」とは?見込み客を【顧客】に育てる方法 | BtoBマーケティングならタービン・インタラクティブ

作成者: タービン・インタラクティブ|2018年04月17日

インバウンドマーケティングの最重要プロセスが「ナーチャリング」です。ところが、日本語として実感しづらいせいかナーチャリング=メルマガ配信のようになっている企業も少なくありません。

本来のナーチャリングは、
BtoBのインバウンドマーケティング全体からの位置づけを理解したうえで行うべきものです。戦術の前に戦略を考える必要があります。

そこで、今回は効果的なナーチャリング方法を考えるための基本知識をお伝えします。ナーチャリングの必要性、方法論、近年その必要性が叫ばれている「マーケティングオートメーション」との関連性までご説明します。 

なお、インバウンドマーケティング導入のためのステップはこちらの記事でも紹介しております。併せてご覧ください。インバウンドマーケティング成功の4ステップ~見込み客を集めて顧客に育てる


 

ナーチャリングとは「リードの育成」

マーケティングにおけるナーチャリング(Nurturing)とは、直訳すると「育成すること」です。「リードナーチャリング」と呼ばれることもあるように、集客されたリードの興味・関心を高める各種施策がナーチャリングです。

ナーチャリングは、BtoBマーケティングにおける「デマンドジェネレーション」の一要素です。デマンドジェネレーションとは、インバウンドマーケティングで案件を創出することを指しており、「リードジェネレーション(集客)」「リードナーチャリング(育成)」「リードクオリフィケーション(選別)」の3つのプロセスから成り立っています。ナーチャリングとは、リードを選別(営業への引き渡し)するための重要なプロセスなのです。

「お客さんを集める」と「お客さんに売る」の間に位置するナーチャリングは、現在のインバウンドマーケティングの特徴を象徴するプロセスと言えます。ただ集客して売り込むのではなく、その間に情報を提供して顧客の興味・関心を高めることで成約率をアップさせる戦略がナーチャリングとなります。

そこには、ナーチャリングをしないと「手詰まり」になってしまう事情が3点存在します。

 

  

ナーチャリングが絶対に必要な3つの理由

ナーチャリングは、以下に挙げる3つの課題を解決することができます。

・顧客データが活用し切れていない

・営業に引き渡すリードの質が低い

BtoBではリードタイムが長くなる

 

顧客データが活用し切れていない

一つ目の「顧客データが活用し切れていない」については、名刺を集めてもマーケティングや営業でフォローできていないリード=休眠資産が多いという意味です。せっかくセミナーを行っても、規模の大きな企業や脈のありそうな企業などごく一部を追うばかりで、その他は捨てざるを得ないことが多いのではないでしょうか。

こうした顧客データにもメルマガやセミナー情報を伝えることでナーチャリングできれば、思わぬところから成約につながるケースも出てきます。集客したリードを最大限活用するためにも、ナーチャリングプロセスを回すことが必要です。

 

営業に引き渡すリードの質が低い

二つ目の「営業に引き渡すリードの質が低い」ですが、ただ集客したリードの情報を営業に伝えてフォローしてもらおうとしても、営業にはすべてのリードをカバーするだけのリソースを持ち合わせていないものです。興味・関心の低いリードを渡されても、営業としては見込みの低い営業活動を強いられるだけで、マーケティング担当に対する不信感を強めるだけです。

ナーチャリングを行うことで、リードの興味・関心や商品知識を積み重ねて「質」を高めることができます。営業が電話なり対面なりでフォローを行う際には、すでにリード側に商品知識があるため、話がしやすいというわけです。ナーチャリングの重要性が分かるというものでしょう。

 

BtoBではリードタイムが長くなる

三つ目の「BtoBではリードタイムが長くなる」という件ですが、リードタイムとは成約に至るまでの期間と理解してください。商品を手にとってすぐに購入してくれるわけではなく、よくメリット・デメリットを吟味して慎重に検討するBtoB事業では、集客と成約の間が重要です。この間リードを放置するのかナーチャリングをきっちり実施するのかによって、リードに与えるインパクトは大きく異なるのです。

以上のような三つの点から、ナーチャリングの必要性を説明できます。それでは、ナーチャリングのための具体的な方法論を見ていきましょう。

 

 

ナーチャリングに必要な4つの施策

ナーチャリングの方法論としていくつか挙げられますが、今回は以下の4つを挙げたいと思います。

Web行動履歴のトラッキング

・メルマガ(ステップメール)

・セミナー/ウェビナー

・ホワイトペーパー

 

Web行動履歴のトラッキング

Web行動履歴のトラッキングとは、どのページから自社ホームページにやってきたのか、ホームページの中でもどのページを閲覧したのかなどの「足跡」を追いかけて記録することです。

近年はGoogle Analyticsをはじめ、解析ツールがいくつも出てきています。それに伴って、オフラインの行動(展示会出席、名刺交換など)だけでなくオンラインの行動も情報として取得・蓄積できるようになりました。このデータを利用して、どういったメールをどのタイミングで配信するのか検討できます。Web行動履歴のトラッキングは、顧客データの一つとして必ず取得したいデータです。

 

メルマガ(ステップメール)

次にメルマガ・ステップメールです。メールマーケティングを実施している企業は多いのですが、配信時間帯やタイトル・本文、配信頻度などを調整することも必要です。時間帯によって、開封率やクリック率が大きく変化するケースもあります。手軽に情報を得られるメルマガは、未だに有力なナーチャリングツールと言えます。

なお、メール配信ツールによってはステップメール(連続メール)の設定が可能です。一つ目のメールの翌日に二つ目、三つ目……と連続で配信する設定が自動でできるようになっています。メール配信の業務効率や効果を上げるためにも、ステップメールの頻度や設定、ツールの選定などこだわりたいところです。

 

セミナー/ウェビナー

セミナー/ウェビナーは、たとえばメルマガ配信対象者のみなどクローズドな場で設定されることが一般的です。特に、地域を選ばない「ウェビナー(Web上でセミナーを行い動画配信する)」は日本では海外ほど一般的ではありませんが、今後普及していくでしょう。

セミナーやウェビナーの類いは、商品もさることながら担当者への信頼を醸成するのに効果的なツールです。やはり文字情報よりも、実際の顔や声に接した方が安心できる側面があります。セミナーやウェビナーへの出席を促すことは、ナーチャリング効果も高いと考えられます。

 

ホワイトペーパー

最後のホワイトペーパーですが、メールアドレスの取得だけでなくナーチャリングとしても効果があります。ホームページに載せられない「裏」の情報をこっそりメールに添付するなどして提供することで、リードに「特別感」を与えることにもつながります。ホワイトペーパーの内容次第では、そのまま商談・成約につなげることも不可能ではないでしょう。

今回は4つご紹介しましたが、商品の性質によっては他のナーチャリング方法もあるでしょう(サンプル製品の提供など)。ポイントは、あくまで「リードの興味・関心を引き出すこと」にあります。何がリードに刺さるナーチャリング方法なのか、自社でよく考えることが重要です。

 

 

ナーチャリングに欠かせない「マーケティングオートメーション」

ナーチャリングにはWeb行動履歴のトラッキングやリード情報の管理・分析がきわめて重要です。これは、手動や無料ツールではどうしてもできる範囲に限りがあります。

そこで近年注目を集めているのが、マーケティングオートメーションです。「オートメーション」という言葉の通り、Web行動履歴を自動的に取得・蓄積し、メルマガやセミナーの効果を分析してレポートに出力し、一定程度ナーチャーされた質のよいリードを営業に渡すところまで、ワンストップで実現可能です。ナーチャリングキャンペーンのPDCAを効率的に回すことができますから、マーケティング戦略のブラッシュアップにはとても効果的です。

マーケティングオートメーションのツールは2014年以降日本にも入ってきており、導入して成果を上げている企業も出てきています。効果が広く知られるにつれ、これから日本でも一般化していく可能性もあるでしょう。